2006-02-03

PIG

「まるで豚ね、お前」

高らかに笑いながら女王様が優雅に鞭を一閃する。
君は全裸で四つん這いになったまま、床を這いずり回っている。
背中に容赦なく振り下ろされる鋭い鞭が、見る間に君の皮膚を赤く彩っていく。
君はその痛みに堪えながら、まさしく家畜の豚が飼い主に行動をコントロールされるように、鞭に促されながら床を無様に右往左往する。

狭い部屋だ。
女王様は逃げ惑う君を楽しそうな鞭で打ちながら、時々君の尻を、腹を、抉るように硬いブーツの甲で蹴り上げている。
君はその度に体を弾ませながら、それでも立ち上がることは許されないので、四つん這いのままその鞭と蹴りから少しでも逃れようと体をよじっている。

もう既に君の息は上がっていて、全身にびっしょりと汗をかいている。
固いフローリングの床につきっ放しの膝が痛い。
膝頭の皮膚が擦れて、血が滲み始めている。
体を支え続けている肘も限界に近い。
そのため、時折体勢を崩して腹這いになってしまいそうになるが、するとすかさずその背中を女王様が踏みつけ、そして尻を蹴り飛ばす。

「休むんじゃないわよ、豚!」

「申し訳ございません」

君は声を張り上げ、尻を蹴り飛ばされながらも体勢を立て直すと、再び四つん這いで進み始める。
そうして進みながら、ふと自らの股間を覗き見ると、ペニスはさすがに萎えている。
それに気づいた女王様が、君の背後に回ると、足の間にぶら下がるペニスを後方から容赦なく、ぶらぶらと揺れている憐れな睾丸もろとも蹴り上げる。
君は頭から床に突っ伏し、呻きながら思わず両手で股間を押さえて蹲ってしまう。

「ちゃんと勃起させてなさい、失礼ね」

「申し訳ございません……」

君は蹲ったまま小声で謝罪する。
しかし女王様は容赦ない。

「休むなっていうのが、わからないの? お前」

君の背中に一層鋭い鞭を打ちつけながら、笑みを完全に消して女王様が言う。

「申し訳ございません」

君はよろよろと体を起こすと、器用に左手だけで体を支え、右手の甲で額の汗を拭った。
下半身全体が痺れている感じだったが、もう休んではいられない。
君は奥歯を噛み締めてその鈍痛に耐えながら、右手を自らの股間へ伸ばす。

「早く勃起させなさい」

女王様の厳しい叱責が飛ぶ。

「はい!」

君は不自然な体勢のまま萎えたペニスを握り、目の前で腕を組んで立っている女王様を仰ぎ見ながら必死になって激しく擦る。

「全く生意気な豚だわ」

女王様は嫌悪感を露骨に滲ませながら冷ややかに君を見下ろしてそう邪険に吐き捨てると、君の頭頂部にブーツの底を置き、そのまま勢いよく床に押し付けた。
そして、全体重を掛けて君を踏み躙る。

君はそのままの体勢で、なおも自らを擦り続ける。