tag:blogger.com,1999:blog-78792842024-03-13T09:19:45.324+09:00金の鎖、銀の鞭Femdom(女性上位)の世界をモチーフにしたSM掌編テキストを不定期にUPしています。Unknownnoreply@blogger.comBlogger103125tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-86813767430013769952009-12-25T00:44:00.006+09:002009-12-25T04:39:57.555+09:00哀れで幸福な夜君には、一年のうちに二日、厄日としか思えない日が存在する。それは、バレンタインデーとクリスマスだ。理由は説明するまでもない。見た目はパッとしないし、ペニスは皮を被っているし、何より変態で、普段から全く異性とは縁のない君にとって、この二つのイベントは世界から抹殺してしまいたいくらい忌まわしい。といっても、その日が休日であれば自宅で地味に静かに過ごすだけだし、平日であれば、いつも通りに仕事をして、ときには残業などもしてみたりして、普通通りに過ごすだけだ。テレビや新聞やネット等、情報媒体に触れず、街でも目と耳と心を逸らして職場と自宅を往復すれば、たいして問題ではない。寂しさの多くは、人や物との関係性の中で発生する。だから、これまでの人生において、君は特にこの二日に対して、必要以上に距離を置いて生きてきた。しかし、今年の君は、少し生き方を変えてみることにした。クリスマス・イヴの夜、SMクラブにUnknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-54343852852411997942009-12-12T16:08:00.000+09:002009-12-12T16:10:10.698+09:00リバーサイド・ブルース夕暮れの涼しい風が川面を渡って吹いている。長く続く堤防。広い河川敷にはゲートボール場なとが整備されているが、夕刻のこの時間、人影は既にない。川の向こう岸には団地の建物が並び、傾いた陽射しを背後から浴びながら、不揃いの影を長く落としている。静かな時間だ。時々、長い鉄橋を渡る列車の音が響くが、それ以外は、ほとんど物音が絶えている。鉄道と並行して高速道路もあり、多くの車が行き交っているが、その騒音は全く届かない。耳を澄ませば、少し離れた場所にある高校のグラウンドから、金属バットで軟式ボールを打つカキーンという音が、少々間が抜けたように聞こえる。雲は多めだが、全体の印象としては晴れている西の空が、真っ赤な夕焼けに染まっている。高みにたなびく薄い雲はピンクに縁取られ、低い位置に留まる雲の固まりは鉛色に近い灰色だ。そんな雲の間から、金色の夕陽が射し込んでいる。昼間は汗ばむほどの陽気だったが、日が沈むUnknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-44420511150691695272009-11-01T13:26:00.000+09:002009-11-01T13:27:50.640+09:00涙のままに「便器になりたいです!」君は全裸で正座し、背筋をピンと伸ばしたまま、目を瞑って大きな声で言った。その声は、まるで何かの宣言か、生死を賭けた不退転の決意表明のように、若干の悲壮感を含みながら、さほど広くない部屋中に響き渡った。「マジで!?」君の前で椅子に座って脚を組む美しい女性が呆れたような顔をし、嘲笑いながら、言った。栗色の巻き髪がゴージャスな印象を与える、しかしカジュアルな服装の、二十代前半の若い女性だ。胸元や肩口を大胆に露出した薄紫色のキャミソールにデニムのホットパンツを履いていて、素足の爪先には派手な銀色のペディキュアが綺麗に塗られている。室内にはその女性の香水の匂いがクラクラするくらい強く漂っている。「はい、ぜひ人間便器に!」君は更に懇願した。股間の性器は、はち切れんばかりに勃起している。女性が脚を伸ばし、その屹立する先端の亀頭を足の指でグリグリと弄びながら、苦笑した。「本当にUnknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-13021482620951788112009-09-28T22:23:00.000+09:002009-09-28T22:24:40.390+09:00路の先馴染みのない町。片田舎と呼んでもそれほど差支えはなさそうな、典型的な地方の小都市だ。人口はおそらく十万人に満たず、夜の帳が下りた今、特急が停車するJRの駅前だけがなんとか賑わいを見せているが、こういう町は大抵、繁華街を外れたバイパス沿いなどに大きなショッピングモールや家電や紳士服の店やカーディーラーや中古車店などがあり、駅前はそれほど栄えていない。一応この町の駅前にも、アーケードが取り付けられた駅前商店街らしき道があるが、いわゆるシャッター通りの趣だ。かろうじて明かりが灯っているのは、居酒屋やカラオケ店やコンビニくらいのものだ。一日の仕事を終えた君は、駅前商店街の先にあるビジネスホテルに向かって歩いている。夕食は、営業所の人たちと職場近くの店で済ませた。「よかったら一杯」と酒に誘われたが、君は相手の機嫌を損ねないよう「どうも風邪気味らしく体調がすぐれないので」と申し訳なさそうに言って丁寧Unknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-36665529651474241172009-08-18T20:13:00.000+09:002009-08-18T20:14:16.153+09:00世界で最も醜い動物窓の外は、深夜だ。深い森の中に建つ瀟洒な洋館の一階、広いリビングに今、君はいる。全裸で首輪だけを装着し、固いオーク材の床で跪いている。森に面した大きなガラス戸は閉じられているが、カーテンは開け放たれており、君は跪いたまま、暗いガラスに白く映る自分の姿にちらりと視線を向けた。いかにも奴隷らしい、何もかもを脱ぎ捨てた自由な姿だ。実際、これから君はこの家で、あらゆる社会的制約を放棄し、一匹の奴隷あるいは家畜として飼われるのだから、本当に自由だった。期限は特に決められていない。飼い主の女性が君に飽きるまで、君はここで暮らす。君は体ひとつでこの家へやってきて、名前すらもう失った。それでも、もちろん君は君だし、さすがに戸籍まで抹消されたわけではないし、肉体的には一般的な人間のままだが、存在としての君はもうヒトではない。とはいえ股間には男性器がぶら下がっているから種としての性別は「男」だが、せいぜい「Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-21787068231657554612009-07-09T20:00:00.000+09:002009-07-09T20:01:31.664+09:00終電後最初は、軽い出来心というか、茫漠とした好奇心故の単純でたいして意味などない行動だった。なんとなく始まり、なんとなく終わる、そんな暇つぶしの一種のつもりだった。君は金曜日の夜の最終電車に揺られていた。適度に混んではいたが、通路に立つ人は疎らで、君はロングシートの端に座ってネクタイを弛め、駅の売店で買い求めたスポーツ新聞を読んでいた。通勤でいつも使っているいつもの路線だから、いちいち駅名のアナウンスに注意を向けていなくても、体が、感覚が、乗車時間を憶えている。君は、少し酔っていた。二時間の残業を済ませた後、同僚と居酒屋で飲んだのだ。しかし飲み過ぎてはいないので意識はしっかりしているし、息は酒臭いだろうが、頬をほんのりと赤らめている程度だ。それでも、最終電車の時刻だから、ふと気を抜くとさすがに睡魔に襲われそうになる。単調なレールの音、静かな車内。君はスポーツ新聞をぼんやりと読みながら、さりげUnknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-5669343463911969992009-05-01T00:05:00.000+09:002009-05-01T00:06:14.085+09:00春雷広いバルコニーだ。畳の枚数にして二十帖をゆうに越えている。建物に接した位置から二メートル程の距離までは屋根が張り出しているが、それ以外は雑木林に面した外界に剥き出しだ。夜の今、雑木林は暗く、激しい雨が降り続いている。雨の音は、木々の葉などによって増幅されて響く。バルコニーの正面には、見事に咲き誇る桜の巨木が聳えている。夜の暗い雑木林の中で、その桜の周辺の闇だけが仄白い。風が強い。勢い良く風が吹く度、満開の桜の白い花びらが夜の中で盛大に舞う。時折、空が白く光る。鋭い雷光が闇を切り裂き、世界を一瞬だけ白く照らし出す。そして、少し遅れて大音響が轟き渡る。横殴りの雨がバルコニーを濡らしている。屋根はほとんど役に立っていない。激しい風が、花びらと雨を絶え間なく叩きつけてくる。そのため、人工芝を敷き詰めたバルコニーの床は、無数の花びらで被われている。バルコニーの屋根には、太い梁が一本、渡されている。Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-67674949602804652812009-04-13T22:22:00.001+09:002009-04-16T02:06:16.210+09:00放課後の密かな冒険「おまえさー、マジ超受けるんだけどー」脚を組み、煙草を指に挟んで椅子に座っている制服姿の女の子が小馬鹿にした口調でケラケラと笑いながら、足許の床で膝立ちの姿勢を保ち続ける君を見下ろす。君は今、ブレザーとスラックスとパンツを脱ぎ、シャツとネクタイと靴下だけを身に付けた哀れな姿で、下半身を露出している。そのペニスは既に限界まで反り返っているが、仮性包茎のため、まだ亀頭の半分は皮に被われている。女の子の視線がその貧相なペニスに注がれているのを感じて、君はさりげなく右手をペニスに添えると、そっと皮を剥いた。「何気にしらっとチンポの皮、剥いてんじゃねえよ」嘲笑しながら女の子は脚を投げ出し、君の額を紺ハイソの爪先で小突いた。「すいません」素直に君はペニスから手を離した。すると皮の状態はまた元に戻り、君は視線を床に落とした。その君の鼻先に、女の子は爪先をあてがい、そのままぐいっと押し付けるようにして君Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-32378502753015103742009-03-11T23:51:00.000+09:002009-03-11T23:53:40.734+09:00蹴ラレ屋君には、周囲の誰にも言っていないバイトがある。それは、「蹴られ屋」だ。ふだんは地味なサラリーマン生活を送っているが、不定期で、人に蹴られるバイトをしている。「人に蹴られる」といっても、相手は女性限定だ。十分千円で、蹴られている。客は別に殴ってもよいのだが、たいていの人は蹴る。殴ると自分の手も痛くなるから、客としては、殴るより蹴った方が思う存分やれて、楽しいらしい。だから君は「蹴られ屋」を自称している。客は、主に勤め先の女性社員だ。たまに、もちろん女性だがその友人たちや取引先関係の女性も混じる。バイト自体は、約半年ほど前から始めた。始めたというより、ただ単に始まった。きっかけは、一回り近く年下の女性社員に午後の給湯室で「ほんとにグズいオヤジでムカつくわ!」とキレられ、そのまま足蹴にされた時、ついマゾヒストとしての部分が覚醒して勃起してしまい、それをその女性に発見されて、「おまえマゾかよ」とUnknownnoreply@blogger.com3tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-57829781895671361072009-01-10T16:12:00.000+09:002009-01-10T16:13:42.271+09:00リサイクル「ねえ、ちょっと」飼い主である美しい女性が、君を呼んだ。広いリビングルーム。女性はソファに身を沈め、長い脚を優雅に組んでいる。全裸の君は、キッチンで食事の後片付けをしていたが、呼ばれて直ちにその足許へ駆け寄った。そして跪き、深々と頭を下げて絨毯が敷かれた床に額をこすりつける。「何か御用でございましょうか」女性はストッキングの足で君の頭を踏み、地面に捨てた煙草を消すようにぐりぐりと踏みにじりながら、言う。「なんかね、この頃、おまえに飽きたのよ」君はその言葉に、まるで鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けたが、額を床にこすりつけて後頭部を踏まれたまま、ただひたすらじっと身を固くしていた。それは奴隷の身分である君にとって、返答のしようがない言葉だった。やがて頭から足がどけられ、君は恐る恐る顔を上げながら、飼い主に縋るような視線を向けた。「あのう、何かわたしに問題があるのでしょうか。あるのならば、仰Unknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-24135666792900290522008-11-27T00:05:00.000+09:002008-11-27T00:06:59.315+09:00狭く小さな楽園君は最近、週末にアルバイトを始めた。不況の折、残業代はカットされるし、しかし欲しいものはあるし、それならば暇な時間を有効に活用しようと考えたのだ。もちろん、職場には内緒だ。バイトは禁止されているし、そもそもなるべく人にその仕事をしている姿は見られたくない。君のバイトは、警備員だ。とはいえ土日しか出勤できないし、さすがに毎週きっちり出ていたら休日がなくなってしまうから、月に数回、臨時のイベントなどに派遣されることが多い。そして、今週末、実は密かに楽しみにしているイベントの警備の仕事が入っている。君が派遣されるイベントは、女子中高生に圧倒的な人気を誇るファッション・ブランドが企画した野外フェスだ。何組かのロックバンドが出場するが、もちろん君の楽しみはその出演者ではない。君の目的は、その会場に集まる客だ。真夏の土曜日の真っ昼間に集まってくる客が、ほとんど女子中高生なのだ。その光景を想像しただけUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-29989893154284173882008-10-17T00:02:00.001+09:002008-10-17T00:05:09.009+09:00聖断君は困惑していた。どうしたらいいか、わからなかった。君は今、とんでもない失敗をしてしまった。庭の温室で飼い主の女性が大切に育てている植物に水をやっていて、細心の注意を払っているつもりだったが、伸ばしたホースが胡蝶蘭の花瓶に引っかかり、それを床に落として割ってしまったのだ。花弁は無事だが、茎が折れ、高価な花瓶は砕け散ってしまった。全裸に首輪だけという格好で温室内に呆然と立ち尽くしながら、君はその惨状を見下ろした。どうしよう……。君は激しく狼狽しながら、それでもひとまずホースの水を止め、胡蝶蘭を拾い上げると、それを予備の適当な花瓶に生けた。しかし、折れてしまった茎が無惨だった。咲き誇る花弁はまだ美しさを保っているが、茎が折れてしまってはいずれ死ぬだろう。この白い胡蝶蘭は、君の飼い主である女性が、手持ちの植物の中でも特に愛している花だった。しかも、それを生けている花瓶は、古い陶器のアンティークUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-29184434734774301002008-09-06T12:28:00.000+09:002008-09-06T12:29:22.730+09:00窓辺の椅子月明かりに濡れる孤独な窓辺。さめざめとした青い光に照らされた冷たい床。ぽつんと置かれた一脚の椅子。君は、その窓辺の椅子に座っている。何も身には纏っていない。全裸だ。両腕は、手首に巻かれた革製のベルトによって、そのまま肘掛けに拘束されている。揃えて床に下ろす裸足の足首にも、頑丈な革の枷が嵌められている。その両足首に装着された枷は短い鎖で繋がれていて、重い鉄球が付属している。君は、まるで身動きがとれない。手足だけではなく、体も椅子に固定されているからだ。椅子の背もたれと一緒に、体全体がロープで椅子に括りつけられている。大きなガラス窓の外は夜だ。そして室内は静まり返っている。物音は、何も聞こえない。耳を澄ませば、微かに鼻から漏れる自分の息遣いだけが、漂っている。口許にガムテープのようなものが貼られているため、口を開くことはおろか、ほんの少し唇を動かすことすらままならない。こうして椅子に拘束されUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-64812148541901237612008-07-11T23:38:00.001+09:002008-07-11T23:38:54.308+09:0050cm50cm。それは、君の視点の高さを示す数値だ。君は常に首輪を装着し、犬と化して四つん這いで暮らしているから、視点の高さがそれ以上になることは滅多に無い。たまに、ご主人様の足にじゃれつくペットのように両手を上げて伸ばし背中を反らすことはあるが、そうそう許される行為ではないから、やはり君の視点の高さはたいてい50cm未満だ。その視界は、ヒトのそれとは全く違う。君は殆どの世界を仰ぎ見て暮らしている。しかし、君にとってそれは悪くない景色だ。なぜならば、君は犬として生きることに悦びを覚えているマゾヒストだからだ。一匹の犬。それが、君だ。君は、常に全裸で暮らしている。もう何年も衣服を身に着けたことはない。美しい女性に飼われ、すべてを掌握されている。そこに生活の自由はないが、「人」であることを捨てた君は、存在としての自由を手に入れている。両手と両膝で体を支えつつ、餌を与えられて生を繋いでいる。その生にUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-75803163578907412762008-05-24T12:21:00.000+09:002008-05-24T12:22:40.673+09:00スレイブ・トレイン深夜。単線の終着駅。近くに人家などない山奥の、有刺鉄線で囲まれた工場のような敷地内に線路が引き込まれている。駅名表示の看板すら存在しない殺風景で長いプラットホームだ。ぽつんぽつんと灯る蛍光灯の明かりが寒々しい。山間の空気は凛と冷えている。空に浮かぶ月が煌々と輝き、世界を銀色に染めている。ホームには、黒革のトレンチコートとブーツ、そして制帽を着て手に鞭を持つ女性が数人、列車の到着を待っている。やがて遠くから鋭い汽笛が響き、列車が駅に近づいてくる。徐々にその走行音が大きくなり、先頭の機関車のライトが闇の中に伸びる。ホームに立つ女性たちが、居住まいを正してその到着に備える。しかし、アナウンスの類いは一切流れない。列車がホーム入線してきた。長い貨物列車だ。有蓋貨車が延々と連結されている。ゆっくりと列車が停止した。一斉に貨車の扉が開かれる。そして、中から全裸の男たちがぞろぞろと降りてくる。全員がUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-58465013398111461942008-05-07T19:48:00.000+09:002008-05-07T19:49:28.265+09:00桜の檻机のうえに、写真立てが置かれている。シンプルな、アルミのフォトフレームだ。その中には、満開の桜の写真が入っている。仄かに白く、仄かにピンク色の花びらが、切り取られた世界の中で鮮やかに咲き誇っている。君はパジャマ姿で椅子に座り、机に両肘をついて手を組み合わせ、その指先に唇を軽く当てながら、写真を見つめる。何度眺めても、見事な満開だ。まるで世界が祝福で溢れているような、平和で長閑で素晴らしい春の風景だ。目を閉じると、甘い自然の香りが甦ってくる。君は静かな夜の片隅で、その満開の桜を思い出す……。四月。例年より桜の開花が早く、君は平日の午後、美しい女性とふたりで桜を見るために高速で二時間の場所にある山里へ出掛けた。平日ということもあって、快晴の高速道路は空いていたし、山里にも人は少なかった。君は車を小川沿いの空き地に止めると、女性と二人で桜の丘陵の奥へと入っていった。あたりは完全に静まり返っていUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-78118342544420902432008-04-07T22:26:00.000+09:002008-04-07T22:27:19.609+09:00Like a woman君は四つん這いになり、尻を高く掲げた。その姿が、壁の鏡に映る。君は今、全裸で首輪を装着し、そこに繋がれた鎖は壁のフックに引っ掛けられている。掌と膝に伝わる固いフローリングの床の感触が冷たい。女王様が、君の尻を軽く蹴る。「もっと汚いそのお尻を高く上げなさい。そして、自分で穴を広げなさい。入れて欲しいんでしょう? ほら」君の尻を、女王様が平手でパシンッと張る。「申し訳ございません」君は謝罪し、両手の支えを外して頬を床に付けると、膝を心持ち前方へずらして更に高く尻を持ち上げ、両手で自分の尻の肉を開く。すると、ふだんは肉に隠されている穴が晒け出され、ひんやりとした空気がそっと撫でていく。その感触に、君は俄に緊張してしまう。「汚い穴ね。しかも、なんて格好なの。恥ずかしい」女王様は咥え煙草でフンと笑い、君の頬をブーツの底で踏みにじる。君は傾いた視界の中で、必死に女王様を仰ぎ見る。女王様は、その哀れなUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-49658751719170612392008-03-05T19:09:00.000+09:002008-03-05T19:10:09.388+09:00終わらない夜君は自分が大人の男であることを忘れ、いや、充分に承知のうえでそのプライドを放棄し、年甲斐もなく涙を流してしまった。床に足は着いているものの、両手を上に伸ばしてその手首を縛られ、そのまま天井から吊るされている君の体には、無数の鞭の跡が縦横無尽に刻まれている。それでも尚、鋭い鞭の先端が君の体を打ち据えていく。その度に君は体を揺らし、背中を仰け反らせて叫び声を上げる。薄暗い部屋だ。しかし君はスポットライトの強い光の筒の中にいる。そして薄闇の中に立つ美しい女王様は鞭を手に、薄ら笑いを浮かべている。君は吊るされたまま、泣きじゃくってしゃくり上げながら、女王様に懇願する。「どうか、お許しください……」それは今にも消え入りそうな儚い声音だ。女王様は、答えの代わりに更に鞭を振るって笑い声を響かせる。君は唇を噛み締め、涙で滲む視界の中に女王様の姿を捉えて、荒い息を漏らしながら再度、許しを請う。「女王様……Unknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-74789309845720781192008-02-06T21:15:00.000+09:002008-02-06T21:44:42.872+09:00ピーチ外で夕食を済まし、適度に疲れて帰宅した君は、仕事の服を脱いで着替え、テレビのスイッチを入れる。最近購入したばかりの、50インチのフルHD液晶テレビが、ゆっくりと起動する。君はソファに座り、テーブルに脚を投げ出す。やがて画面に、水着の女が映し出される。どんな番組かは知らない。化粧で完璧に武装された美しい顔。挑発的な肢体を包む、際どい白のビキニ。デジタル・ハイビジョンの精彩な画質が、その布の質感、そして肌の質感を舐めるように象ってゆく。女は笑っている。多少の下品さは感じられるものの、蠱惑的な笑顔だ。肉体が躍動している。太っているわけではないが痩せてはいない、健康的で、しかし若干淫微さを漂わせる肉感的な体が、画面の中で弾んでいる。その体の各部位を、カメラがズームアップしながら執拗に追跡する。揺れる胸、突き出される尻、女が笑う。白い肌が、眩し過ぎる照明によって透き通るように輝いている。決して小Unknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-4666741088595549642008-01-12T11:38:00.000+09:002008-01-12T11:39:46.482+09:00バスルームの孤独さして広くないバスルームの床はタイル敷きで、その床も壁もバスタブも、あらゆる部分が白い。しかも小さな窓の外は夜で、無機質な蛍光灯が天井で白い光を放っているため、その白さは人工的に増幅されている。タイルの床は冷たい。冷たいというより、凍えるくらいに冷えきっている。そもそも、バスルーム自体が、完全な冷気に包まれている。君は今、そんな冷たいバスルームの床に、全裸で跪いている。手のひらと膝と爪先から、冷気が這い上がってきていて、全身に鳥肌を立てながら、小さく震えている。奥歯がガチガチと鳴っている。君の首には、赤い革製の首輪が巻かれている。そして繋がっているリードは前方へと伸び、そこには美しい女性が凛然と立っている。女性は、普段着姿だ。厚手のウールのスカートに、タートルネックのセーターを着ている。スカートはグレーで、セーターはオレンジ色だ。女性はリードを持ちながら軽く腕を組み、君を見下ろしているがUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-19585227316307444102007-12-02T11:58:00.000+09:002007-12-02T12:01:27.163+09:00意外な再会あたし、昼間はOL、夜は週に三日、趣味と実益を兼ねて派遣型のSMクラブで女王様をやっているんだけど、先日、ついに漫画みたいなシチュエーションに遭遇してしまったの。これまでにも、そういうシチュエーションを想像したことはあったけれど、まさか実際に起きるとはね。さすがに、びっくりした。それで、どんなことが起きたかというと、先週の金曜日の夜、十時頃だったかな? 初めてのお客さんに呼ばれてホテルに行ったのね、そうしたら、なんとドアを開けたのがウチの会社のキモ課長。一瞬、お互いにドアのところでフリーズしちゃった(笑)もちろん、あたしもびっくりしたけど、向こうもそりゃあ焦ってたわ。でも、どうしようもないわよね。小賢しく偽名で予約を入れてたけど、プレイをしようが相手を替えようが、Mコース指定で、「女王様」を指名してSMクラブにプレイの予約を入れた事実は消せないし。だから、キャンセルを食らうことなく、Unknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-76797613558582890642007-11-06T23:02:00.000+09:002007-11-06T23:03:25.110+09:00爪の先に宿る天使狭い密室は息苦しい。取り囲む四方の壁が、じわじわと迫り来るようだ。その壁は全面鏡張りだ。光源は、天井の中心に小さなライトがあるだけで、弱々しい青白い光を落としているが、室内は暗く、そのため鏡の壁は暗い。四畳半程度のこの部屋に窓はない。ドアはスチール製の重い扉がひとつだけあるが、閉じられている。部屋は、息苦しいだけではなく、暑い。空調は切られ、換気装置が作動していないため、空気が膨張しているように感じられる。君は今、そんな部屋の真ん中で、両腕を揃えて上へ上げて立ち、その手首を拘束されている。その手首から天井のフックに向けて鎖が伸びていて、両足は床についているものの、ほとんど吊るされている状態だ。もちろん、君は全裸だ。四方の暗い鏡の壁にその姿が映し出されている。卑猥な姿だ。青白く弱い光に照らされた君の体は貧弱さが際立っているが、なぜか股間の性器は屹立して薄闇に突き出されている。ドアが開き、Unknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-36880631059333773272007-10-13T15:31:00.001+09:002007-10-13T15:31:54.343+09:00囚われたスーパーマンあっという間の出来事だった。君は戸惑っている暇もなく、数分のうちに宙に浮いた。薄暗い部屋だ。天井に取り付けられたスポットライトの照明が、君を闇の中に浮かび上がらせている。君はまるで重力に抗うように、床から1.5メートルほどの中空に漂っている。フローリングの床が、眼下に広がっている。つと顔を前方へ向ければ、正面の壁には木製の細い板がX字に交叉する磔台がある。Xの四つの端に、短い鎖と革製の枷がぶら下がっている。君は今、全裸で吊られている。右手を伸ばし、左手を背中へ回し、若干股を開き気味にしながら、右足を伸ばし、左足を膝で折って、体はそのまま床と水平に浮いている。そんな君の体には赤いロープが幾何学模様を描きながら複雑に巻かれ、手首や足首や膝など数カ所で吊られている。ロープが全身に食い込んでいるため、擦れる痛みが全身を被っている。しかも、ロープとロープの隙間では肉がはみ出て、決して美しい姿ではUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-24406502919779213572007-09-19T21:59:00.000+09:002007-09-19T22:00:18.956+09:00嘘君はSMクラブのプレイルームで、女王様以外には到底誰にも見せられないような破廉恥極まりない姿を晒す。全裸で床に這いつくばり、尻を犯されて女のように喘ぎ、蝋燭のロウで体を彩られ、縛られて鞭を打たれ、罵倒を浴びる。君は時々壁の鏡に映る自分の姿を横目で見ながら、知り合いには絶対に見せられない姿だな、と強く思う。プレイの終盤、君は女王様の股間から迸る聖水を飲み、罵られ、嘲弄の視線を浴びながらビンタを受け続け、自らの手でフィニッシュを迎える。そして跪いて調教の礼を述べ、その世界を離れる。プレイの後、君はシャワーを使う。しかし、石鹸の類いは使用しない。鞭やロープは、なるべく跡が残らないようにと予め相手の女王様に頼んである。入念にシャワーを浴びてローションを落とし、丁寧にロウを剥がし、ロープの跡を解す。どんなに緩く縛っても、拘束すれば多少は痕跡が残ってしまうが、それほどきつく縛られない限り、じきにそれUnknownnoreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-7879284.post-4604059019960681912007-08-20T23:15:00.000+09:002007-08-20T23:17:01.838+09:00夏の墓石完璧に晴れ渡った真夏の空から、強烈な太陽光線が降り注いでいる。水平線の近くに入道雲が猛々しく沸いているが、上空に遮るものはない。空は青く、樹木は濃密で、砂浜は白い。誰もいない、小さな入り江の奥の砂浜だ。海水浴場として整備されているわけではないし、背後の崖の上に県道が通っているが、そこから延々と獣道を降りてこなければならないので、まるで真夏の奇跡のようにその砂浜は静まり返っている。凪の海は光を照り返しながら寡黙だ。水平線は眩しく、光を湛えながら霞んでいる。そして今、君は、全裸で海に向かって立っている。両手を腰の当たりに回してがっちりと麻縄で縛られ、足首も括られているため、直立不動だ。しかもその足元は、30キロを超える鉄球を取り付けられたまま、膝まで砂の中に埋まっている。照りつける陽射しが過酷だった。剥き出しの光線が、生白い君の貧弱な体を容赦なく焼いている。君は頭髪と下腹部の陰毛を綺麗に剃りUnknownnoreply@blogger.com2