君は自分が大人の男であることを忘れ、いや、充分に承知のうえでそのプライドを放棄し、年甲斐もなく涙を流してしまった。
床に足は着いているものの、両手を上に伸ばしてその手首を縛られ、そのまま天井から吊るされている君の体には、無数の鞭の跡が縦横無尽に刻まれている。
それでも尚、鋭い鞭の先端が君の体を打ち据えていく。
その度に君は体を揺らし、背中を仰け反らせて叫び声を上げる。
薄暗い部屋だ。
しかし君はスポットライトの強い光の筒の中にいる。
そして薄闇の中に立つ美しい女王様は鞭を手に、薄ら笑いを浮かべている。
君は吊るされたまま、泣きじゃくってしゃくり上げながら、女王様に懇願する。
「どうか、お許しください……」
それは今にも消え入りそうな儚い声音だ。
女王様は、答えの代わりに更に鞭を振るって笑い声を響かせる。
君は唇を噛み締め、涙で滲む視界の中に女王様の姿を捉えて、荒い息を漏らしながら再度、許しを請う。
「女王様……どうか、どうかお許しください……」
しかし、そう言って哀願の眼で女王様を見つめる君の台詞に説得力はまるでない。
なぜなら、そんな風に許しを請いながら、君の性器は極限まで反り返っているからだ。
女王様が、鞭を止め、ゆっくりと君に近づく。
君は安堵の吐息を吐きながら、恐る恐る女王様を仰ぎ見る。
その探るような微力な視線を、女王様は冷徹な瞳で跳ね返す。
束の間の静寂が調教ルーム内に漂う。
君は息を詰め、ごくりと唾を飲み込む。
やがて女王様は君の前に立つと、顎に手をかけて至近距離から冷めた眼で瞳を覗き込み、そして勢いよくビンタを張る。
更に、君の顔に唾をペッと吐きかけ、一歩後ずさると、尖ったブーツの先で君の屹立したペニスを突き、一旦その足を床に下ろす。
しかし、次の瞬間、その足は思いっきり上方へと振り抜かれ、固いブーツの甲が君の陰嚢を下から抉るようにヒットする。
「うぎゃあ」
君は瞬間的に絶叫し、無様に飛び跳ねてしまう。
それを見て女王様は笑い、
「足を開いて立ちなさい」
と命じて、君が怖ず怖ずと従うと、再び陰嚢を蹴り上げる。
満身創痍の君は、恥ずかしげもなく叫び、まるで精肉工場のラインに吊るされた肉塊のように、体を身悶えさせながら不自由に揺れる。
手首で擦れるロープの痛み、鞭の跡の疼き、そして股間を痺れさす鈍痛。
君は、家畜以下の存在へと華々しく墜落していく。
しかし君の夜はまだ終わらない。
2008-03-05
2008-02-06
ピーチ
外で夕食を済まし、適度に疲れて帰宅した君は、仕事の服を脱いで着替え、テレビのスイッチを入れる。
最近購入したばかりの、50インチのフルHD液晶テレビが、ゆっくりと起動する。
君はソファに座り、テーブルに脚を投げ出す。
やがて画面に、水着の女が映し出される。
どんな番組かは知らない。
化粧で完璧に武装された美しい顔。
挑発的な肢体を包む、際どい白のビキニ。
デジタル・ハイビジョンの精彩な画質が、その布の質感、そして肌の質感を舐めるように象ってゆく。
女は笑っている。
多少の下品さは感じられるものの、蠱惑的な笑顔だ。
肉体が躍動している。
太っているわけではないが痩せてはいない、健康的で、しかし若干淫微さを漂わせる肉感的な体が、画面の中で弾んでいる。
その体の各部位を、カメラがズームアップしながら執拗に追跡する。
揺れる胸、突き出される尻、女が笑う。
白い肌が、眩し過ぎる照明によって透き通るように輝いている。
決して小さくはない尻のアップの残像が、君を捕らえて離さない。
一時間後、君はラブホテルの一室にいる。
素っ裸で、背中に回した両手を手錠で拘束され、首輪とリードを付けて床に跪きながら、背中を向けて立つボンデージ姿の女性の、革製のTバックのショーツに包まれた豊かな尻を見上げている。
リードの先は、女性の手の中にある。
白くて丸いピーチのような造形が、君の視界を占めている。
女性が振り返って君を見下ろし、リードをクイっと引っ張りながら、自らの尻を君の顔面のすぐ先へ突きつけて、嘲笑を浮かべる。
「何が欲しいの?」
鼻で笑いながら女性が訊く。
君は自由にならない両手をもどかしげに動かしながら、こたえる。
「お尻が欲しいです」
君は、その白くて柔らかそうで大きな尻に抱きつきたくてたまらないが、それは叶わない。
故に、激しく身悶えてしまう。
「やだ、何を盛ってるのよ、変態の分際で」
「すいません……」
しかし、君の視線は、女性の尻に釘付けだ。
手を伸ばせば、そして顔を後ほんの少し突き出せば、届きそうな距離にその尻はあるが、今の君には果てしなく遠い。
と。
唐突に女性がリードを緩め、次の瞬間、尻を君の顔面に載せて密着させた。
柔らかい感触が不意に君の顔に押し付けられ、君の鼻先と唇が、Tバックの細い布の部分によってピンポイントで被われる。
君の頬に、女性の白い尻の肌が吸着する。
そして、暖かい重みがのしかかる。
思わず君は腰を浮かし、飢えた獣と化しながら、貪欲に、そして恥も外聞もなく破廉恥に、思いっきり淫らに本性を晒け出して自らその尻の谷間に突進していく。
女性は悪戯っぽく、何度も尻を君の顔面で弾ませる。
君は、その躍動を追いかけるように、鼻腔を思いっきり開いて谷間の香気を吸い込み、双丘の重量感と温もりに酔い痴れながら、尖らせた舌をショーツの隙間に滑り込ませていく。
その姿には、もはや人間としての理性は一欠片も残されていない。
舌先にチリチリとした陰毛の感触が伝わり、柔らかい肉を辿り、君の意識は著しく狭窄して舌先の一点に集中する。
君は果敢に柔らかい亀裂へ、そして更に、その先で窄まっている莟へ、鼻息を荒げながら、一心不乱に舌を伸ばしていく。
そんな必死な君の髪を女性が無造作に掴んで揺すりながら、尚も尻を押し付け、そしてリードを極限まで短く持って完全に密着させ、高らかに笑う。
君はその感触に溺れながら、しかしやがて鼻と口を肉で覆われ、だんだん呼吸が苦しくなっていく。
尻を顔面に載せられたまま、君は悶え、体をよじる。
しかし逃げられない。
快楽が苦悶に転換され、視界が暗みに覆われて白い光が弾けながら、そして転落していく。
そんな君を見て、女性は更に楽しそうに笑う。
その嬌声と君のくぐもった呻きが卑猥に交錯しながら、それほど広くもない室内に響き渡っていく。
最近購入したばかりの、50インチのフルHD液晶テレビが、ゆっくりと起動する。
君はソファに座り、テーブルに脚を投げ出す。
やがて画面に、水着の女が映し出される。
どんな番組かは知らない。
化粧で完璧に武装された美しい顔。
挑発的な肢体を包む、際どい白のビキニ。
デジタル・ハイビジョンの精彩な画質が、その布の質感、そして肌の質感を舐めるように象ってゆく。
女は笑っている。
多少の下品さは感じられるものの、蠱惑的な笑顔だ。
肉体が躍動している。
太っているわけではないが痩せてはいない、健康的で、しかし若干淫微さを漂わせる肉感的な体が、画面の中で弾んでいる。
その体の各部位を、カメラがズームアップしながら執拗に追跡する。
揺れる胸、突き出される尻、女が笑う。
白い肌が、眩し過ぎる照明によって透き通るように輝いている。
決して小さくはない尻のアップの残像が、君を捕らえて離さない。
一時間後、君はラブホテルの一室にいる。
素っ裸で、背中に回した両手を手錠で拘束され、首輪とリードを付けて床に跪きながら、背中を向けて立つボンデージ姿の女性の、革製のTバックのショーツに包まれた豊かな尻を見上げている。
リードの先は、女性の手の中にある。
白くて丸いピーチのような造形が、君の視界を占めている。
女性が振り返って君を見下ろし、リードをクイっと引っ張りながら、自らの尻を君の顔面のすぐ先へ突きつけて、嘲笑を浮かべる。
「何が欲しいの?」
鼻で笑いながら女性が訊く。
君は自由にならない両手をもどかしげに動かしながら、こたえる。
「お尻が欲しいです」
君は、その白くて柔らかそうで大きな尻に抱きつきたくてたまらないが、それは叶わない。
故に、激しく身悶えてしまう。
「やだ、何を盛ってるのよ、変態の分際で」
「すいません……」
しかし、君の視線は、女性の尻に釘付けだ。
手を伸ばせば、そして顔を後ほんの少し突き出せば、届きそうな距離にその尻はあるが、今の君には果てしなく遠い。
と。
唐突に女性がリードを緩め、次の瞬間、尻を君の顔面に載せて密着させた。
柔らかい感触が不意に君の顔に押し付けられ、君の鼻先と唇が、Tバックの細い布の部分によってピンポイントで被われる。
君の頬に、女性の白い尻の肌が吸着する。
そして、暖かい重みがのしかかる。
思わず君は腰を浮かし、飢えた獣と化しながら、貪欲に、そして恥も外聞もなく破廉恥に、思いっきり淫らに本性を晒け出して自らその尻の谷間に突進していく。
女性は悪戯っぽく、何度も尻を君の顔面で弾ませる。
君は、その躍動を追いかけるように、鼻腔を思いっきり開いて谷間の香気を吸い込み、双丘の重量感と温もりに酔い痴れながら、尖らせた舌をショーツの隙間に滑り込ませていく。
その姿には、もはや人間としての理性は一欠片も残されていない。
舌先にチリチリとした陰毛の感触が伝わり、柔らかい肉を辿り、君の意識は著しく狭窄して舌先の一点に集中する。
君は果敢に柔らかい亀裂へ、そして更に、その先で窄まっている莟へ、鼻息を荒げながら、一心不乱に舌を伸ばしていく。
そんな必死な君の髪を女性が無造作に掴んで揺すりながら、尚も尻を押し付け、そしてリードを極限まで短く持って完全に密着させ、高らかに笑う。
君はその感触に溺れながら、しかしやがて鼻と口を肉で覆われ、だんだん呼吸が苦しくなっていく。
尻を顔面に載せられたまま、君は悶え、体をよじる。
しかし逃げられない。
快楽が苦悶に転換され、視界が暗みに覆われて白い光が弾けながら、そして転落していく。
そんな君を見て、女性は更に楽しそうに笑う。
その嬌声と君のくぐもった呻きが卑猥に交錯しながら、それほど広くもない室内に響き渡っていく。
2008-01-12
バスルームの孤独
さして広くないバスルームの床はタイル敷きで、その床も壁もバスタブも、あらゆる部分が白い。
しかも小さな窓の外は夜で、無機質な蛍光灯が天井で白い光を放っているため、その白さは人工的に増幅されている。
タイルの床は冷たい。
冷たいというより、凍えるくらいに冷えきっている。
そもそも、バスルーム自体が、完全な冷気に包まれている。
君は今、そんな冷たいバスルームの床に、全裸で跪いている。
手のひらと膝と爪先から、冷気が這い上がってきていて、全身に鳥肌を立てながら、小さく震えている。
奥歯がガチガチと鳴っている。
君の首には、赤い革製の首輪が巻かれている。
そして繋がっているリードは前方へと伸び、そこには美しい女性が凛然と立っている。
女性は、普段着姿だ。
厚手のウールのスカートに、タートルネックのセーターを着ている。
スカートはグレーで、セーターはオレンジ色だ。
女性はリードを持ちながら軽く腕を組み、君を見下ろしているが、全裸で跪いている君の姿は、普段着の女性との対比でいっそう貧相に見える。
「どうして震えているの?」
女性が首を傾げて不思議そうに訊く。
君は手を床についたまま首を反らせて女性を見上げ、こたえる。
「寒いです」
その声も震えている。
しかし女性は微笑むだけだ。
「でもおまえは犬だから、仕方ないんじゃない? かわいがられているペットならともかく、いくら寒くても、ペットでも何でもなくただの犬でしかないおまえが服を着るなんて生意気でしょう?」
「はい……」
君はこくりと頷く。
それを見て、女性が言う。
「じゃあせめて、温かい飲み物でも上げようかしら?」
「お願いします」
君が床に額をつけて懇願すると、女性はフンと鼻で笑い、おもむろにスカートをたくしあげると、ショーツを下ろした。
そして、軽く脚を開く。
「いまからオシッコしてあげるから、床に溢れたものを舐めて飲みなさい。犬らしくね」
「はい」
そう言って女性は立ったまま放尿した。
股間の茂みの奥から黄金色に輝く液体が迸り、床に飛沫く。
尿は、白く微かな湯気を立ち昇らせながら、タイルの表面を流れ、溜まっていく。
強いアンモニア臭が立ち込め、君の鼻腔を刺激する。
温かい尿がタイルの目地に沿って流れ、君の手のひらや膝を濡らしていく。
しかし君は動かない。
白いタイルが金色に染まっていく。
やがて放尿が終わり、女性は腕を組んで立ったまま、君を見下ろす。
「飲みなさい」
リードを引っ張り、君を尿の溜まりへと誘う。
「ありがとうございます!」
君は歓喜し、尻を上げてその尿に屈み込む。
手のひらも尿の中だ。
そして君は舌を這わせ、早くも温もりをなくしつつある尿を、音を立てて舐めとっていく。
女性が嘲笑を浮かべながら、床に這いつくばって尿を飲んでいる君の頭を踏む。
君は踏まれ、そして軽蔑と憐憫の視線に貫かれながら、尚も必死に啜り続ける。
そんな君のペニスは完全にそそり立っている。
しかも小さな窓の外は夜で、無機質な蛍光灯が天井で白い光を放っているため、その白さは人工的に増幅されている。
タイルの床は冷たい。
冷たいというより、凍えるくらいに冷えきっている。
そもそも、バスルーム自体が、完全な冷気に包まれている。
君は今、そんな冷たいバスルームの床に、全裸で跪いている。
手のひらと膝と爪先から、冷気が這い上がってきていて、全身に鳥肌を立てながら、小さく震えている。
奥歯がガチガチと鳴っている。
君の首には、赤い革製の首輪が巻かれている。
そして繋がっているリードは前方へと伸び、そこには美しい女性が凛然と立っている。
女性は、普段着姿だ。
厚手のウールのスカートに、タートルネックのセーターを着ている。
スカートはグレーで、セーターはオレンジ色だ。
女性はリードを持ちながら軽く腕を組み、君を見下ろしているが、全裸で跪いている君の姿は、普段着の女性との対比でいっそう貧相に見える。
「どうして震えているの?」
女性が首を傾げて不思議そうに訊く。
君は手を床についたまま首を反らせて女性を見上げ、こたえる。
「寒いです」
その声も震えている。
しかし女性は微笑むだけだ。
「でもおまえは犬だから、仕方ないんじゃない? かわいがられているペットならともかく、いくら寒くても、ペットでも何でもなくただの犬でしかないおまえが服を着るなんて生意気でしょう?」
「はい……」
君はこくりと頷く。
それを見て、女性が言う。
「じゃあせめて、温かい飲み物でも上げようかしら?」
「お願いします」
君が床に額をつけて懇願すると、女性はフンと鼻で笑い、おもむろにスカートをたくしあげると、ショーツを下ろした。
そして、軽く脚を開く。
「いまからオシッコしてあげるから、床に溢れたものを舐めて飲みなさい。犬らしくね」
「はい」
そう言って女性は立ったまま放尿した。
股間の茂みの奥から黄金色に輝く液体が迸り、床に飛沫く。
尿は、白く微かな湯気を立ち昇らせながら、タイルの表面を流れ、溜まっていく。
強いアンモニア臭が立ち込め、君の鼻腔を刺激する。
温かい尿がタイルの目地に沿って流れ、君の手のひらや膝を濡らしていく。
しかし君は動かない。
白いタイルが金色に染まっていく。
やがて放尿が終わり、女性は腕を組んで立ったまま、君を見下ろす。
「飲みなさい」
リードを引っ張り、君を尿の溜まりへと誘う。
「ありがとうございます!」
君は歓喜し、尻を上げてその尿に屈み込む。
手のひらも尿の中だ。
そして君は舌を這わせ、早くも温もりをなくしつつある尿を、音を立てて舐めとっていく。
女性が嘲笑を浮かべながら、床に這いつくばって尿を飲んでいる君の頭を踏む。
君は踏まれ、そして軽蔑と憐憫の視線に貫かれながら、尚も必死に啜り続ける。
そんな君のペニスは完全にそそり立っている。
2007-12-02
意外な再会
あたし、昼間はOL、夜は週に三日、趣味と実益を兼ねて派遣型のSMクラブで女王様をやっているんだけど、先日、ついに漫画みたいなシチュエーションに遭遇してしまったの。
これまでにも、そういうシチュエーションを想像したことはあったけれど、まさか実際に起きるとはね。
さすがに、びっくりした。
それで、どんなことが起きたかというと、先週の金曜日の夜、十時頃だったかな? 初めてのお客さんに呼ばれてホテルに行ったのね、そうしたら、なんとドアを開けたのがウチの会社のキモ課長。
一瞬、お互いにドアのところでフリーズしちゃった(笑)
もちろん、あたしもびっくりしたけど、向こうもそりゃあ焦ってたわ。
でも、どうしようもないわよね。
小賢しく偽名で予約を入れてたけど、プレイをしようが相手を替えようが、Mコース指定で、「女王様」を指名してSMクラブにプレイの予約を入れた事実は消せないし。
だから、キャンセルを食らうことなく、あたしはキモ課長の部屋に入った。
それにしても、漫画みたいな展開じゃない?
ありそうだけど、でも実際にはなかなかありそうにない状況でしょ?
あたし、一応はお店のサイトで目許だけ隠して顔出ししているのだけれど、わざわざそれを見て指名してきたのよ。
まあ、まさか指名した子が自分の部下だとは思ってもいなかっただろうけれど(笑)
でもね、この課長、ほんとうにキモいのよ。
見た目も最悪。
背が低くて小太りで、脂ぎっていて髪も薄くて、女子受けも最低。
しかも、愚図で、仕事もたいしてできなくて、どんくさい。
それでいて、ネチネチと粘着質なのよ。
最悪じゃない?
だから、みんな陰口言いまくりなんだけど、そんな奴が「マゾ」として目の前に現れたのよ?
こっちとしても燃えて当然じゃない?(笑)
でもさ、もう言い訳できないと観念したのか、開き直ったのか、あのキモ課長、プレイが始まったらマゾの本能を全開にして完全に野獣と化してたわ。
もう笑っちゃうくらいド変態で、もともとマゾっ気はありそうな雰囲気だったけど、実際の奴のマゾっぶりは、そりゃあもう凄かった(笑)
「蒸れて臭い足を舐めさせて」だの、「豚を蔑むように罵って」だの、二十歳以上も年下で、職場では部下のあたしに貧相なチ○コを晒しながら跪いて必死に懇願しちゃって、首輪を付けて犬みたいに引きずり回されて大喜びしていたし、最後にはあたしのオシッコを浴びて飲んでひとりでシコシコしながらイったし、もう超笑えた。
もちろん、こっちとしてはプレイと称して日頃の鬱憤が晴らせるわけだから、ふだん以上にノリノリで責めたけど、ほんとうに面白かった。
「おまえ、超キモいわ」とか言いながら、課長を跪かせてビンタしてやったりしたけど、最高だった(笑)
ただ、男って一回抜くと急に冷静になったりするじゃない?
だから、プレイ後の課長ったら、かなり戸惑っていたわ。
何十回と、しつこいくらいに「会社では絶対に内緒にしてください」とひたすらお願いされちゃったし(笑)
というか、その点はべつに心配いらないのよね。
あたしだって、夜のバイトがバレたらまずいし。
だから、ある意味では、秘密の関係なのよね、お互いに。
でも、仲の良い同僚の女の子には、たぶん言っちゃう(笑)
だって、こんなに面白いこと、黙っていられるわけないじゃん。
プレイ中に写メもたくさん撮ったしね。
これまでにも、そういうシチュエーションを想像したことはあったけれど、まさか実際に起きるとはね。
さすがに、びっくりした。
それで、どんなことが起きたかというと、先週の金曜日の夜、十時頃だったかな? 初めてのお客さんに呼ばれてホテルに行ったのね、そうしたら、なんとドアを開けたのがウチの会社のキモ課長。
一瞬、お互いにドアのところでフリーズしちゃった(笑)
もちろん、あたしもびっくりしたけど、向こうもそりゃあ焦ってたわ。
でも、どうしようもないわよね。
小賢しく偽名で予約を入れてたけど、プレイをしようが相手を替えようが、Mコース指定で、「女王様」を指名してSMクラブにプレイの予約を入れた事実は消せないし。
だから、キャンセルを食らうことなく、あたしはキモ課長の部屋に入った。
それにしても、漫画みたいな展開じゃない?
ありそうだけど、でも実際にはなかなかありそうにない状況でしょ?
あたし、一応はお店のサイトで目許だけ隠して顔出ししているのだけれど、わざわざそれを見て指名してきたのよ。
まあ、まさか指名した子が自分の部下だとは思ってもいなかっただろうけれど(笑)
でもね、この課長、ほんとうにキモいのよ。
見た目も最悪。
背が低くて小太りで、脂ぎっていて髪も薄くて、女子受けも最低。
しかも、愚図で、仕事もたいしてできなくて、どんくさい。
それでいて、ネチネチと粘着質なのよ。
最悪じゃない?
だから、みんな陰口言いまくりなんだけど、そんな奴が「マゾ」として目の前に現れたのよ?
こっちとしても燃えて当然じゃない?(笑)
でもさ、もう言い訳できないと観念したのか、開き直ったのか、あのキモ課長、プレイが始まったらマゾの本能を全開にして完全に野獣と化してたわ。
もう笑っちゃうくらいド変態で、もともとマゾっ気はありそうな雰囲気だったけど、実際の奴のマゾっぶりは、そりゃあもう凄かった(笑)
「蒸れて臭い足を舐めさせて」だの、「豚を蔑むように罵って」だの、二十歳以上も年下で、職場では部下のあたしに貧相なチ○コを晒しながら跪いて必死に懇願しちゃって、首輪を付けて犬みたいに引きずり回されて大喜びしていたし、最後にはあたしのオシッコを浴びて飲んでひとりでシコシコしながらイったし、もう超笑えた。
もちろん、こっちとしてはプレイと称して日頃の鬱憤が晴らせるわけだから、ふだん以上にノリノリで責めたけど、ほんとうに面白かった。
「おまえ、超キモいわ」とか言いながら、課長を跪かせてビンタしてやったりしたけど、最高だった(笑)
ただ、男って一回抜くと急に冷静になったりするじゃない?
だから、プレイ後の課長ったら、かなり戸惑っていたわ。
何十回と、しつこいくらいに「会社では絶対に内緒にしてください」とひたすらお願いされちゃったし(笑)
というか、その点はべつに心配いらないのよね。
あたしだって、夜のバイトがバレたらまずいし。
だから、ある意味では、秘密の関係なのよね、お互いに。
でも、仲の良い同僚の女の子には、たぶん言っちゃう(笑)
だって、こんなに面白いこと、黙っていられるわけないじゃん。
プレイ中に写メもたくさん撮ったしね。
2007-11-06
爪の先に宿る天使
狭い密室は息苦しい。
取り囲む四方の壁が、じわじわと迫り来るようだ。
その壁は全面鏡張りだ。
光源は、天井の中心に小さなライトがあるだけで、弱々しい青白い光を落としているが、室内は暗く、そのため鏡の壁は暗い。
四畳半程度のこの部屋に窓はない。
ドアはスチール製の重い扉がひとつだけあるが、閉じられている。
部屋は、息苦しいだけではなく、暑い。
空調は切られ、換気装置が作動していないため、空気が膨張しているように感じられる。
君は今、そんな部屋の真ん中で、両腕を揃えて上へ上げて立ち、その手首を拘束されている。
その手首から天井のフックに向けて鎖が伸びていて、両足は床についているものの、ほとんど吊るされている状態だ。
もちろん、君は全裸だ。
四方の暗い鏡の壁にその姿が映し出されている。
卑猥な姿だ。
青白く弱い光に照らされた君の体は貧弱さが際立っているが、なぜか股間の性器は屹立して薄闇に突き出されている。
ドアが開き、ひとりの女性が室内に入ってくる。
背の高い、逞しい体格の美しい女性だ。
その女性は黒革のボンデージに身を包んでいて、長い髪が揺れている。
化粧映えのする、派手な顔立ちの女性だ。
視線が鋭い。
君は、女性の接近に緊張し、体を硬直させる。
女性が室内に足を踏み入れた瞬間、甘いパフュームの香りが濃密に漂って、君の勃起は更に硬度を増した。
女性は背が高いため、向かい合うと、頭ひとつぶん以上は差があり、自然に見下ろされる格好となる。
君は降り注ぐ視線に萎縮し、頼りなく視線を空に泳がせてしまう。
女性は、部屋の中心で吊られている君の前に立つと、無言のまま、哀れな君を観察しながら小さく笑みを浮かべた。
しかしそれは優しい微笑ではなく、侮蔑の嘲笑だ。
女性は、唇の端を歪めて引き攣らせるようにして君を眺め、煙草に火をつける。
そして少し腰を折り、顔を君の顔面の前の数センチの距離まで接近させると、君の瞳の奥をじっと覗き込んだまま赤い唇を窄めてその隙間から灰色の煙草の煙を君に吹きつける。
思わず君は顔を背けてしまう。
すると次の瞬間、強烈なビンタが君の頬に炸裂し、おどおどと目を上げると、女性は零下の視線で君を貫く。
君は完全に震え上がり、全身を強張らせて汗を噴き出させながらしきりに唇を舐め、小声で「すみません」と謝罪して俯く。
女性はしかし何もこたえず、その返事の代わりに君の顎に手をかけ、ぐいっと持ち上げて前を向かせると、至近距離から勢い良く唾を吐き捨てた。
そして、君を突き放すように顎から手を離すと、両手を君の貧相な胸板にあてがう。
十本のその爪は黒く塗られ、鋭く尖っている。
その爪が、君の肉に食い込み、君の緊張が極限に達する。
君は恐怖心を瞳に浮かび上がらせながら、その胸板に食い込む爪の先と、女性の冷たい表情を交互に見る。
女性は、そんな君の混乱を弄ぶように、嘲弄の小さな笑みを君に向ける。
そして。
次の瞬間、胸板に爪を食い込ませたまま、一気にその両手を下へスライドさせた。
鋭い爪の先が肉を削ぎ落としながら、赤い直線のラインを描く。
「うぎゃああああああああ」
たまらず君は絶叫し、両手を不自由に拘束されたまま体を激しくよじる。
女性はそんな君を妖艶な笑みで見下ろし、すぐに今度は両の乳首を爪の先で摘むと、そのまま渾身の力を込めた。
「うぎゃああああああああ」
君は眉間に皺を寄せて顔を苦痛に歪ませながら体を弾ませ、泣き叫ぶ。
しかし女性は一向に手を離さず、寧ろ更に力を込めていく。
やがて、君の乳首を摘む女性の黒い爪の間から赤い血液が滴り始める。
取り囲む四方の壁が、じわじわと迫り来るようだ。
その壁は全面鏡張りだ。
光源は、天井の中心に小さなライトがあるだけで、弱々しい青白い光を落としているが、室内は暗く、そのため鏡の壁は暗い。
四畳半程度のこの部屋に窓はない。
ドアはスチール製の重い扉がひとつだけあるが、閉じられている。
部屋は、息苦しいだけではなく、暑い。
空調は切られ、換気装置が作動していないため、空気が膨張しているように感じられる。
君は今、そんな部屋の真ん中で、両腕を揃えて上へ上げて立ち、その手首を拘束されている。
その手首から天井のフックに向けて鎖が伸びていて、両足は床についているものの、ほとんど吊るされている状態だ。
もちろん、君は全裸だ。
四方の暗い鏡の壁にその姿が映し出されている。
卑猥な姿だ。
青白く弱い光に照らされた君の体は貧弱さが際立っているが、なぜか股間の性器は屹立して薄闇に突き出されている。
ドアが開き、ひとりの女性が室内に入ってくる。
背の高い、逞しい体格の美しい女性だ。
その女性は黒革のボンデージに身を包んでいて、長い髪が揺れている。
化粧映えのする、派手な顔立ちの女性だ。
視線が鋭い。
君は、女性の接近に緊張し、体を硬直させる。
女性が室内に足を踏み入れた瞬間、甘いパフュームの香りが濃密に漂って、君の勃起は更に硬度を増した。
女性は背が高いため、向かい合うと、頭ひとつぶん以上は差があり、自然に見下ろされる格好となる。
君は降り注ぐ視線に萎縮し、頼りなく視線を空に泳がせてしまう。
女性は、部屋の中心で吊られている君の前に立つと、無言のまま、哀れな君を観察しながら小さく笑みを浮かべた。
しかしそれは優しい微笑ではなく、侮蔑の嘲笑だ。
女性は、唇の端を歪めて引き攣らせるようにして君を眺め、煙草に火をつける。
そして少し腰を折り、顔を君の顔面の前の数センチの距離まで接近させると、君の瞳の奥をじっと覗き込んだまま赤い唇を窄めてその隙間から灰色の煙草の煙を君に吹きつける。
思わず君は顔を背けてしまう。
すると次の瞬間、強烈なビンタが君の頬に炸裂し、おどおどと目を上げると、女性は零下の視線で君を貫く。
君は完全に震え上がり、全身を強張らせて汗を噴き出させながらしきりに唇を舐め、小声で「すみません」と謝罪して俯く。
女性はしかし何もこたえず、その返事の代わりに君の顎に手をかけ、ぐいっと持ち上げて前を向かせると、至近距離から勢い良く唾を吐き捨てた。
そして、君を突き放すように顎から手を離すと、両手を君の貧相な胸板にあてがう。
十本のその爪は黒く塗られ、鋭く尖っている。
その爪が、君の肉に食い込み、君の緊張が極限に達する。
君は恐怖心を瞳に浮かび上がらせながら、その胸板に食い込む爪の先と、女性の冷たい表情を交互に見る。
女性は、そんな君の混乱を弄ぶように、嘲弄の小さな笑みを君に向ける。
そして。
次の瞬間、胸板に爪を食い込ませたまま、一気にその両手を下へスライドさせた。
鋭い爪の先が肉を削ぎ落としながら、赤い直線のラインを描く。
「うぎゃああああああああ」
たまらず君は絶叫し、両手を不自由に拘束されたまま体を激しくよじる。
女性はそんな君を妖艶な笑みで見下ろし、すぐに今度は両の乳首を爪の先で摘むと、そのまま渾身の力を込めた。
「うぎゃああああああああ」
君は眉間に皺を寄せて顔を苦痛に歪ませながら体を弾ませ、泣き叫ぶ。
しかし女性は一向に手を離さず、寧ろ更に力を込めていく。
やがて、君の乳首を摘む女性の黒い爪の間から赤い血液が滴り始める。
2007-10-13
囚われたスーパーマン
あっという間の出来事だった。
君は戸惑っている暇もなく、数分のうちに宙に浮いた。
薄暗い部屋だ。
天井に取り付けられたスポットライトの照明が、君を闇の中に浮かび上がらせている。
君はまるで重力に抗うように、床から1.5メートルほどの中空に漂っている。
フローリングの床が、眼下に広がっている。
つと顔を前方へ向ければ、正面の壁には木製の細い板がX字に交叉する磔台がある。
Xの四つの端に、短い鎖と革製の枷がぶら下がっている。
君は今、全裸で吊られている。
右手を伸ばし、左手を背中へ回し、若干股を開き気味にしながら、右足を伸ばし、左足を膝で折って、体はそのまま床と水平に浮いている。
そんな君の体には赤いロープが幾何学模様を描きながら複雑に巻かれ、手首や足首や膝など数カ所で吊られている。
ロープが全身に食い込んでいるため、擦れる痛みが全身を被っている。
しかも、ロープとロープの隙間では肉がはみ出て、決して美しい姿ではない。
もちろん、優雅さにも程遠い。
不自然な体勢を保っていることに加え、スポットライトの光が強烈なので、その熱でおそろしく暑い。
君は額だけでなく、全身に汗をかいている。
もっとも、発汗の原因は照明の暑さだけではない。
すぐ近くに立つ女王様から浴びる侮蔑の視線も、原因のひとつだ。
いや寧ろ、その羞恥心の方が、割合としては大きいかもしれない。
君自身、この自分の破廉恥な姿には、強烈な恥ずかしさを覚えている。
大人の男が裸で吊られ、更に股間の性器を勃起させてしまっているのだ。
しかも、君を吊った女王様は、君より一回り以上も年下で、君を蔑んだ目で見据えながら嘲弄の笑みを浮かべている。
女王様が君の顔の前に回って立ち、顎を掴み、瞳をじっと見つめる。
君は挙動不審者のように、わけもなく視線を泳がせてしまう。
女王様は、そんな君を鼻で笑い、
「まるっきり空飛ぶ豚ね」
と呆れたように言って、ペッと唾を吐く。
君の顔面に生暖かい唾液が付着し、重力に従ってそのまま頬を伝って流れるが、中空で身動きがとれない君には、どうすることもできない。
女王様は更に強烈なビンタを続けざまに数発張り、続いて、君の尻にたっぷりとローションを垂らした後、太い電動のディルドを差し込んだ。
そして、ぐりぐりと深く沈め、思わせぶりな速度でゆっくりとピストンする。
君は声にならない呻きを漏らし、喘ぎ、体を揺する。
勃起したペニスの先から透明の液が溢れて、糸を引きながら床へと落ちていく。
やがて女王様はディルドを突っ込んでおいたまま、少し君の体から離れると、鞭を振った。
長い一本鞭の鋭い先端が、君の体を自由に、縦横無尽に打ち据えていく。
君は、恥も外聞もなく、泣き喚く。
痛みから逃れようともがくため、体が激しく揺れ、尻からディルドが抜けそうになる。
すかさず、女王様が鞭を打ち続けながら言う。
「落としたら、許さないわよ」
「は、はい、すいません」
君は謝り、尻の筋肉に力を込めてディルドが抜けるのを食い止める。
そんな君の必死な仕草に、女王様は乾いた笑い声を響かせた。
君の全身から、激しく汗が噴き出す。
しかし鞭はやまない。
君は、吊られたままディルドと鞭を無条件で受け入れている自分が不様で、惨めで、どうしようもなく恥ずかしくてたまらなかった。
どう考えても、ふつうの大人の男が人前で晒す姿ではない。
しかし君はもう「ふつうの大人の男」なんかではないのだ。
その証拠に、勃起は一向に萎えず、寧ろ一層硬直している。
君は鞭の痛みに耐え、羞恥心の爆発に身もだえながら一瞬、「まるで囚われたスーパーマンみたいだ」と考える。
しかし、すぐにそれを打ち消す。
決してそんな格好よい存在ではない。
一匹のマゾヒスト。
それが、君だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
生きている価値などないかもしれないが、死ぬ必要もない。
君は戸惑っている暇もなく、数分のうちに宙に浮いた。
薄暗い部屋だ。
天井に取り付けられたスポットライトの照明が、君を闇の中に浮かび上がらせている。
君はまるで重力に抗うように、床から1.5メートルほどの中空に漂っている。
フローリングの床が、眼下に広がっている。
つと顔を前方へ向ければ、正面の壁には木製の細い板がX字に交叉する磔台がある。
Xの四つの端に、短い鎖と革製の枷がぶら下がっている。
君は今、全裸で吊られている。
右手を伸ばし、左手を背中へ回し、若干股を開き気味にしながら、右足を伸ばし、左足を膝で折って、体はそのまま床と水平に浮いている。
そんな君の体には赤いロープが幾何学模様を描きながら複雑に巻かれ、手首や足首や膝など数カ所で吊られている。
ロープが全身に食い込んでいるため、擦れる痛みが全身を被っている。
しかも、ロープとロープの隙間では肉がはみ出て、決して美しい姿ではない。
もちろん、優雅さにも程遠い。
不自然な体勢を保っていることに加え、スポットライトの光が強烈なので、その熱でおそろしく暑い。
君は額だけでなく、全身に汗をかいている。
もっとも、発汗の原因は照明の暑さだけではない。
すぐ近くに立つ女王様から浴びる侮蔑の視線も、原因のひとつだ。
いや寧ろ、その羞恥心の方が、割合としては大きいかもしれない。
君自身、この自分の破廉恥な姿には、強烈な恥ずかしさを覚えている。
大人の男が裸で吊られ、更に股間の性器を勃起させてしまっているのだ。
しかも、君を吊った女王様は、君より一回り以上も年下で、君を蔑んだ目で見据えながら嘲弄の笑みを浮かべている。
女王様が君の顔の前に回って立ち、顎を掴み、瞳をじっと見つめる。
君は挙動不審者のように、わけもなく視線を泳がせてしまう。
女王様は、そんな君を鼻で笑い、
「まるっきり空飛ぶ豚ね」
と呆れたように言って、ペッと唾を吐く。
君の顔面に生暖かい唾液が付着し、重力に従ってそのまま頬を伝って流れるが、中空で身動きがとれない君には、どうすることもできない。
女王様は更に強烈なビンタを続けざまに数発張り、続いて、君の尻にたっぷりとローションを垂らした後、太い電動のディルドを差し込んだ。
そして、ぐりぐりと深く沈め、思わせぶりな速度でゆっくりとピストンする。
君は声にならない呻きを漏らし、喘ぎ、体を揺する。
勃起したペニスの先から透明の液が溢れて、糸を引きながら床へと落ちていく。
やがて女王様はディルドを突っ込んでおいたまま、少し君の体から離れると、鞭を振った。
長い一本鞭の鋭い先端が、君の体を自由に、縦横無尽に打ち据えていく。
君は、恥も外聞もなく、泣き喚く。
痛みから逃れようともがくため、体が激しく揺れ、尻からディルドが抜けそうになる。
すかさず、女王様が鞭を打ち続けながら言う。
「落としたら、許さないわよ」
「は、はい、すいません」
君は謝り、尻の筋肉に力を込めてディルドが抜けるのを食い止める。
そんな君の必死な仕草に、女王様は乾いた笑い声を響かせた。
君の全身から、激しく汗が噴き出す。
しかし鞭はやまない。
君は、吊られたままディルドと鞭を無条件で受け入れている自分が不様で、惨めで、どうしようもなく恥ずかしくてたまらなかった。
どう考えても、ふつうの大人の男が人前で晒す姿ではない。
しかし君はもう「ふつうの大人の男」なんかではないのだ。
その証拠に、勃起は一向に萎えず、寧ろ一層硬直している。
君は鞭の痛みに耐え、羞恥心の爆発に身もだえながら一瞬、「まるで囚われたスーパーマンみたいだ」と考える。
しかし、すぐにそれを打ち消す。
決してそんな格好よい存在ではない。
一匹のマゾヒスト。
それが、君だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
生きている価値などないかもしれないが、死ぬ必要もない。
2007-09-19
嘘
君はSMクラブのプレイルームで、女王様以外には到底誰にも見せられないような破廉恥極まりない姿を晒す。
全裸で床に這いつくばり、尻を犯されて女のように喘ぎ、蝋燭のロウで体を彩られ、縛られて鞭を打たれ、罵倒を浴びる。
君は時々壁の鏡に映る自分の姿を横目で見ながら、知り合いには絶対に見せられない姿だな、と強く思う。
プレイの終盤、君は女王様の股間から迸る聖水を飲み、罵られ、嘲弄の視線を浴びながらビンタを受け続け、自らの手でフィニッシュを迎える。
そして跪いて調教の礼を述べ、その世界を離れる。
プレイの後、君はシャワーを使う。
しかし、石鹸の類いは使用しない。
鞭やロープは、なるべく跡が残らないようにと予め相手の女王様に頼んである。
入念にシャワーを浴びてローションを落とし、丁寧にロウを剥がし、ロープの跡を解す。
どんなに緩く縛っても、拘束すれば多少は痕跡が残ってしまうが、それほどきつく縛られない限り、じきにそれは消える。
鞭は、せいぜい弱いバラ鞭程度なので、それほど気を回さなくていい。
シャワーの最後に君はついでに顔を洗い、口を漱ぐ。
プレイルームを出て夜の雑踏に潜り込む。
そろそろ時刻は夜の九時だが、繁華街はまだ宵の口だ。
君は、たいして飲みたくもなかったが、道ばたの自動販売機で缶ビールを買い、公園のベンチでそれを開ける。
そして飲み終わると、地下鉄の駅へ行き、トイレを済ませてからホームで列車を待ち、いつもの路線に揺られる。
ベンチシートの端に座り、ぼんやりと酔いの回った目で暗い窓を見ていると、そこに数十分前の自分の幻が浮かんで苦笑が漏れそうになる。
列車はそれほど混んではいないが、空いているわけでもない。
客には、男も女もいる。
そして君はふと考える。
誰も俺が今、SMクラブの帰りだとは知らないんだよな。
こうして澄まして座っているけれど、数十分前に俺は女性に鞭を打たれ、オシッコを飲んでいるんだぜ。
やがて列車がいつもの駅に着き、君は地上に出て、ブリーフケースをぶらぶらさせながら住宅街の中を歩いていく。
徒歩十八分、通い慣れた道だ。
コンビニの明かりが白く眩い。
八階建てのマンションに入り、エレベーターで五階へ上がる。
そして平凡なドアの前に立ち、チャイムを鳴らす。
すぐに内側からロックが解放され、ドアが開き、妻が顔を出す。
「おかえりなさい」
「ただいま」
君は靴を脱ぎ、タイを緩める。
「お酒臭いわね」
「そうか?」
君は惚け、悪戯っぽくわざと吐息を妻に吹きかける。
「やめてよ。たくさん飲んだの?」
「いや、付き合い程度だし」
「会社の人達と?」
「ああ。取引先の人もいたけど」
「そう。ところで今夜は麻婆豆腐なの。食べるでしょ?」
「もちろん。腹ぺこだよ」
妻が台所へ向かう。
君は寝室で背広を脱いで部屋着に着替える。
妻がドアの向こう、廊下の先から話しかけてくる。
「ねえ、昼間、お義母さんから電話があってね、今度の週末、一緒に温泉へ行かないかって」
「ふうん。旅費は向こう持ちなのかな?」
君は服を脱いでトランクス一枚になり、もう一度体の細部を点検しながらこたえる。
「みたいよ。良ければ予約するって。どうする?」
「おまえが嫌じゃなければいいよ」
「じゃあ明日、お願いしますって言っておくわよ」
「ああ」
手首にうっすらとロープの痕跡が残っていた。
君はその部分を擦り、部屋着であるスウェットを頭から被ると、きっちりと袖を伸ばして手首を隠した。
そして部屋を出て、台所で夕食の支度をしている妻の背中に向かって言う。
「メシの前に、風呂入るよ。なんか飲んで疲れた」
念には念を入れておいた方がいい。
風呂で、SMプレイの痕跡を完全に消すのだ。
振り返らずに妻が言う。
「わかった。沸いてるから、どうぞ」
妻は全く何も気づいていない。
君は少し心苦しさを覚えながら浴室へ向かう。
しかし嘘は、ときに吐き通すことが優しさとなるのだ。
全裸で床に這いつくばり、尻を犯されて女のように喘ぎ、蝋燭のロウで体を彩られ、縛られて鞭を打たれ、罵倒を浴びる。
君は時々壁の鏡に映る自分の姿を横目で見ながら、知り合いには絶対に見せられない姿だな、と強く思う。
プレイの終盤、君は女王様の股間から迸る聖水を飲み、罵られ、嘲弄の視線を浴びながらビンタを受け続け、自らの手でフィニッシュを迎える。
そして跪いて調教の礼を述べ、その世界を離れる。
プレイの後、君はシャワーを使う。
しかし、石鹸の類いは使用しない。
鞭やロープは、なるべく跡が残らないようにと予め相手の女王様に頼んである。
入念にシャワーを浴びてローションを落とし、丁寧にロウを剥がし、ロープの跡を解す。
どんなに緩く縛っても、拘束すれば多少は痕跡が残ってしまうが、それほどきつく縛られない限り、じきにそれは消える。
鞭は、せいぜい弱いバラ鞭程度なので、それほど気を回さなくていい。
シャワーの最後に君はついでに顔を洗い、口を漱ぐ。
プレイルームを出て夜の雑踏に潜り込む。
そろそろ時刻は夜の九時だが、繁華街はまだ宵の口だ。
君は、たいして飲みたくもなかったが、道ばたの自動販売機で缶ビールを買い、公園のベンチでそれを開ける。
そして飲み終わると、地下鉄の駅へ行き、トイレを済ませてからホームで列車を待ち、いつもの路線に揺られる。
ベンチシートの端に座り、ぼんやりと酔いの回った目で暗い窓を見ていると、そこに数十分前の自分の幻が浮かんで苦笑が漏れそうになる。
列車はそれほど混んではいないが、空いているわけでもない。
客には、男も女もいる。
そして君はふと考える。
誰も俺が今、SMクラブの帰りだとは知らないんだよな。
こうして澄まして座っているけれど、数十分前に俺は女性に鞭を打たれ、オシッコを飲んでいるんだぜ。
やがて列車がいつもの駅に着き、君は地上に出て、ブリーフケースをぶらぶらさせながら住宅街の中を歩いていく。
徒歩十八分、通い慣れた道だ。
コンビニの明かりが白く眩い。
八階建てのマンションに入り、エレベーターで五階へ上がる。
そして平凡なドアの前に立ち、チャイムを鳴らす。
すぐに内側からロックが解放され、ドアが開き、妻が顔を出す。
「おかえりなさい」
「ただいま」
君は靴を脱ぎ、タイを緩める。
「お酒臭いわね」
「そうか?」
君は惚け、悪戯っぽくわざと吐息を妻に吹きかける。
「やめてよ。たくさん飲んだの?」
「いや、付き合い程度だし」
「会社の人達と?」
「ああ。取引先の人もいたけど」
「そう。ところで今夜は麻婆豆腐なの。食べるでしょ?」
「もちろん。腹ぺこだよ」
妻が台所へ向かう。
君は寝室で背広を脱いで部屋着に着替える。
妻がドアの向こう、廊下の先から話しかけてくる。
「ねえ、昼間、お義母さんから電話があってね、今度の週末、一緒に温泉へ行かないかって」
「ふうん。旅費は向こう持ちなのかな?」
君は服を脱いでトランクス一枚になり、もう一度体の細部を点検しながらこたえる。
「みたいよ。良ければ予約するって。どうする?」
「おまえが嫌じゃなければいいよ」
「じゃあ明日、お願いしますって言っておくわよ」
「ああ」
手首にうっすらとロープの痕跡が残っていた。
君はその部分を擦り、部屋着であるスウェットを頭から被ると、きっちりと袖を伸ばして手首を隠した。
そして部屋を出て、台所で夕食の支度をしている妻の背中に向かって言う。
「メシの前に、風呂入るよ。なんか飲んで疲れた」
念には念を入れておいた方がいい。
風呂で、SMプレイの痕跡を完全に消すのだ。
振り返らずに妻が言う。
「わかった。沸いてるから、どうぞ」
妻は全く何も気づいていない。
君は少し心苦しさを覚えながら浴室へ向かう。
しかし嘘は、ときに吐き通すことが優しさとなるのだ。
2007-08-20
夏の墓石
完璧に晴れ渡った真夏の空から、強烈な太陽光線が降り注いでいる。
水平線の近くに入道雲が猛々しく沸いているが、上空に遮るものはない。
空は青く、樹木は濃密で、砂浜は白い。
誰もいない、小さな入り江の奥の砂浜だ。
海水浴場として整備されているわけではないし、背後の崖の上に県道が通っているが、そこから延々と獣道を降りてこなければならないので、まるで真夏の奇跡のようにその砂浜は静まり返っている。
凪の海は光を照り返しながら寡黙だ。
水平線は眩しく、光を湛えながら霞んでいる。
そして今、君は、全裸で海に向かって立っている。
両手を腰の当たりに回してがっちりと麻縄で縛られ、足首も括られているため、直立不動だ。
しかもその足元は、30キロを超える鉄球を取り付けられたまま、膝まで砂の中に埋まっている。
照りつける陽射しが過酷だった。
剥き出しの光線が、生白い君の貧弱な体を容赦なく焼いている。
君は頭髪と下腹部の陰毛を綺麗に剃り上げているため、太陽はダイレクトにあらゆる部分を曝け出している。
全身から汗が噴き出し、滝のように流れている。
この場所で立ってまだ一時間ほどしか経過していないが、既に肌は赤くなりつつある。
サンオイルも日焼け止めも塗っていない君の体は、文字通り夏の太陽に焼かれているのだ。
そんな君の体を、美しい女性が三人、鑑賞している。
三人とも、挑発的なきわどい水着姿だ。
三人は、ビーチパラソルが作る影の中で、冷たい飲み物を飲みながら、思い思いの格好で寛いでいる。
海を見つめて立っている君の視界の隅には、常にその女性たちの姿が入って、その視線を感じている。
君の周囲の砂の上には円が描かれている。
それは女性たちが一応時計のつもりで、足で適当に引いたものなので、雑だ。
しかし、君の影は、それなりに時刻を示している。
午後二時。
夏の日の夕暮れは、まだ遠い。
先ほど、女性のひとりが冗談のように軽く君の背中に鞭を打ったが、鞭の先端が背中の皮膚を打ったその瞬間、たいして強い鞭でもなく、普段の君なら耐えられるレベルの鞭だったが、君は激痛を覚えて悶えた。
焼けて敏感になっている肌には、鮮やかな跡がくっきりと刻まれた。
しかし、その痛みが、本当に鞭によるものなのか、日焼けのせいなのか、君にはもうよくわからない。
君の思考は、ぼんやりとしている。
直射日光の下に立ち続けているせいで、意識が朦朧とし始めているのだ。
そんな君のそばに、ひとりの女性が近づいてきた。
面積の小さな白いビキニに身を包んだ、スタイルの良い女性だ。
豊かなウェーブの髪が金色に輝き、全身に塗ったオイルの甘いココナッツの香りが君の鼻腔をくすぐる。
女性は、手に飲みかけのビールの缶を持っている。
そして、君の正面に立つと、哀れな君の全身をまじまじと見つめた後、ビールを一口飲んだ。
喉も体も渇ききっている君は、つい物欲しげな視線を向けてしまう。
その意思に気づいた女性は、小首を傾げて訊いた。
「もしかして、欲しいの?」
君の顔の前にビールの缶を掲げる。
「は、はい」
掠れた声で君は小さく言い、首を縦に振る。
すると、女性は「ふうん」と冷めた目で頷き、そのまま見せつけるようにまた一口ビールを飲んだ。
君はその喉の動きを注視する。
女性は、君を無視して、ビールを飲む。
そして、口に含んだと思ったら、いきなり君の顔に向かってにその口の中のビールを吹くように吐き捨てた。
不意を衝かれた君は、咄嗟に目を閉じたが、完全には間に合わず、ビールが目に入って激しく眼球が痛んだ。
すぐにでも手で拭いたかったが、あいにく両手を後ろで拘束されているのでどうにもならない。
君は強く目を瞑り、もがいた。
それを見て、女性は笑い、更にビールを君にプーッと吹きかける。
そして、「舌でも伸ばして舐めたら?」と軽く言うと、缶を君の頭上まで持ち上げ、そこで残っている中身を全部あけた。
全裸の君の体を、頭頂部からビールが流れていく。
顔にかけられたビールは温かったが、頭頂部から流れ落ちるそれはまだ冷たさを保っていた。
背後で見守っていたパラソルの中の女性のひとりが、笑いながら言う。
「なんかさあ、こいつ、日時計というよりお墓じゃない? ほら、お墓参りのときって、墓石に水をかけたりするじゃない?」
それを受けて、君の近くにいる、ビールを流した女性がこたえる。
「そういえば確かに……でも、こんな変態、どうせ生きてる価値ないし、ある意味お墓みたいみたいなものだから、お似合いじゃん」
そう言い、空き缶で君の頭をコツコツと叩いて同意を求める。
「そうでしょ?」
君は目の痛みに耐えながら頷き、「はい」と小声でこたえる。
それは、頷くというより、まるで項垂れているようにしか見えなかったが、女性たちにとって、君の反応などたいした問題ではない。
そんなことは、どうでもいいことなのだ。
水平線の近くに入道雲が猛々しく沸いているが、上空に遮るものはない。
空は青く、樹木は濃密で、砂浜は白い。
誰もいない、小さな入り江の奥の砂浜だ。
海水浴場として整備されているわけではないし、背後の崖の上に県道が通っているが、そこから延々と獣道を降りてこなければならないので、まるで真夏の奇跡のようにその砂浜は静まり返っている。
凪の海は光を照り返しながら寡黙だ。
水平線は眩しく、光を湛えながら霞んでいる。
そして今、君は、全裸で海に向かって立っている。
両手を腰の当たりに回してがっちりと麻縄で縛られ、足首も括られているため、直立不動だ。
しかもその足元は、30キロを超える鉄球を取り付けられたまま、膝まで砂の中に埋まっている。
照りつける陽射しが過酷だった。
剥き出しの光線が、生白い君の貧弱な体を容赦なく焼いている。
君は頭髪と下腹部の陰毛を綺麗に剃り上げているため、太陽はダイレクトにあらゆる部分を曝け出している。
全身から汗が噴き出し、滝のように流れている。
この場所で立ってまだ一時間ほどしか経過していないが、既に肌は赤くなりつつある。
サンオイルも日焼け止めも塗っていない君の体は、文字通り夏の太陽に焼かれているのだ。
そんな君の体を、美しい女性が三人、鑑賞している。
三人とも、挑発的なきわどい水着姿だ。
三人は、ビーチパラソルが作る影の中で、冷たい飲み物を飲みながら、思い思いの格好で寛いでいる。
海を見つめて立っている君の視界の隅には、常にその女性たちの姿が入って、その視線を感じている。
君の周囲の砂の上には円が描かれている。
それは女性たちが一応時計のつもりで、足で適当に引いたものなので、雑だ。
しかし、君の影は、それなりに時刻を示している。
午後二時。
夏の日の夕暮れは、まだ遠い。
先ほど、女性のひとりが冗談のように軽く君の背中に鞭を打ったが、鞭の先端が背中の皮膚を打ったその瞬間、たいして強い鞭でもなく、普段の君なら耐えられるレベルの鞭だったが、君は激痛を覚えて悶えた。
焼けて敏感になっている肌には、鮮やかな跡がくっきりと刻まれた。
しかし、その痛みが、本当に鞭によるものなのか、日焼けのせいなのか、君にはもうよくわからない。
君の思考は、ぼんやりとしている。
直射日光の下に立ち続けているせいで、意識が朦朧とし始めているのだ。
そんな君のそばに、ひとりの女性が近づいてきた。
面積の小さな白いビキニに身を包んだ、スタイルの良い女性だ。
豊かなウェーブの髪が金色に輝き、全身に塗ったオイルの甘いココナッツの香りが君の鼻腔をくすぐる。
女性は、手に飲みかけのビールの缶を持っている。
そして、君の正面に立つと、哀れな君の全身をまじまじと見つめた後、ビールを一口飲んだ。
喉も体も渇ききっている君は、つい物欲しげな視線を向けてしまう。
その意思に気づいた女性は、小首を傾げて訊いた。
「もしかして、欲しいの?」
君の顔の前にビールの缶を掲げる。
「は、はい」
掠れた声で君は小さく言い、首を縦に振る。
すると、女性は「ふうん」と冷めた目で頷き、そのまま見せつけるようにまた一口ビールを飲んだ。
君はその喉の動きを注視する。
女性は、君を無視して、ビールを飲む。
そして、口に含んだと思ったら、いきなり君の顔に向かってにその口の中のビールを吹くように吐き捨てた。
不意を衝かれた君は、咄嗟に目を閉じたが、完全には間に合わず、ビールが目に入って激しく眼球が痛んだ。
すぐにでも手で拭いたかったが、あいにく両手を後ろで拘束されているのでどうにもならない。
君は強く目を瞑り、もがいた。
それを見て、女性は笑い、更にビールを君にプーッと吹きかける。
そして、「舌でも伸ばして舐めたら?」と軽く言うと、缶を君の頭上まで持ち上げ、そこで残っている中身を全部あけた。
全裸の君の体を、頭頂部からビールが流れていく。
顔にかけられたビールは温かったが、頭頂部から流れ落ちるそれはまだ冷たさを保っていた。
背後で見守っていたパラソルの中の女性のひとりが、笑いながら言う。
「なんかさあ、こいつ、日時計というよりお墓じゃない? ほら、お墓参りのときって、墓石に水をかけたりするじゃない?」
それを受けて、君の近くにいる、ビールを流した女性がこたえる。
「そういえば確かに……でも、こんな変態、どうせ生きてる価値ないし、ある意味お墓みたいみたいなものだから、お似合いじゃん」
そう言い、空き缶で君の頭をコツコツと叩いて同意を求める。
「そうでしょ?」
君は目の痛みに耐えながら頷き、「はい」と小声でこたえる。
それは、頷くというより、まるで項垂れているようにしか見えなかったが、女性たちにとって、君の反応などたいした問題ではない。
そんなことは、どうでもいいことなのだ。
2007-08-07
秘密のBarの片隅で
そのバーは、繁華街の外れにある小さな古い雑居ビルの地下にあり、看板も掲げず、ひっそりと営業している。
口コミと常連客に支えられた、秘密のバーだ。
店は、たいして広くない。
長いカウンターと数席のボックスがあるだけで、規模はそのへんのスナックと変わらない。
ただし、内装に安っぽさは微塵もない。
間接照明が微妙な陰影を落とす店内は、すべてにおいて重厚な雰囲気だ。
看板が出ていないといっても、イリーガルな店ではなく、ごく一般的なバーだ。
カウンターの後ろには世界各国の様々な種類の酒壜がずらりと並び、メニューは豊富だ。
ウイスキー、ウォッカ、ジン、ワイン、日本酒、とアルコールはたいてい揃っているし、カクテルの種類も多く、美しい女性だけで構成されたバーテンダーたちはみな美貌と技術のレベルが高い。
フードはつまみ程度だが、ここは飲み物を楽しむ場所なので、全く問題ではない。
しかし、他の巷のバーとは明らかに違う点がひとつだけ、この店にはある。
それは「裏メニュー」の存在だ。
もっとも、「裏メニュー」自体は、べつに珍しいものではない。
常連客に支えられた店なら、バーでもスナックでも小料理屋でも、食堂やレストランでも、存在する。
それでも、この店の「裏メニュー」は特別で、他の店にはまず存在しない。
その「裏メニュー」とは、「聖水」だ。
客は、女性バーテンダーの聖水をオーダーすることが可能なのだ。
「裏メニュー」なので、もちろん通常のメニューには記載されていない。
そして、バーテンダーを呼んで単に「聖水」とか「おしっこ」とか注文しても、出てこない。
この店では、「ゴールデン・シャワー」という言葉を使うと、それを飲むことができる。
飲み方は、様々だ。
オーダーすると、バーテンダーが目の前でそれを抽出してくれるが、それをどう飲むかは、客の自由だ。
もちろんストレートで生のまま飲んでもいいし、レモンスカッシュやコーラといった清涼飲料水、オレンジやパイナップル等ジュース類、あるいはジンやウイスキーや焼酎といった他のアルコールで割って飲むことも可能だ。
むろん、水割りやロックでもいいし、聖水をベースにしたカクテルもある。
具体的には、客はバーテンダーを呼んで、「ゴールデン・シャワーをストレートで」とか、「ゴールデン・シャワーとレモンスカッシュを二対一で」と注文を告げる。
また、オプションになるが、別途料金を支払えば、担当バーテンダーの唾液のトッピングも可能だ。
しかし、聖水は女性の生理現象に依存するので、注文したからといって必ずすぐに提供されるとは限らない。
そういう時、常連は、女性に自分が好きな飲み物を飲んでもらって生成を促す。
もっとも飲み物の摂取によって急速生成された聖水は、濃縮度の点で、なかには物足りなさを覚える常連も皆無ではない。
しかし劇的に飲みやすくなることは確実なので、概ね受け入れられていて、評判は決して悪くない。
どうしてもフレッシュで濃厚な聖水が味わいたいなら、開店直後に来店すればいいだけであり、実際、開店と同時に来店する常連は多い。
また、マニアックな客になると、あえて急速生成を希望し、強力な栄養ドリンクをリクエストして「滋養強壮には、栄養ドリンクで生成された美しい女性の聖水が一番だ」と言って、その十数分から数十分後に抽出される強いストレートを一息に呷る者もいる。
バーテンダーが摂取した飲み物によって微妙に変化する聖水のフレーバーの違いがわかるようになったら、「通」だ。
今夜、君は残業の後、久しぶりにそのバーのドアを潜った。
すると、平日の深夜に近い時間だったからか、店は空いていて、三人ほどの客しか入っていなかった。
静かにジャズが流れる中、君は、カウンターの隅のストゥールに浅く腰掛ける。
「いらっしゃいませ」
美しい女性バーテンダーが微笑みながら君の前に立ち、「どうぞ」と熱いおしぼりを差し出す。
君は「ありがとう」とそれを受け取ってから、「何をお出ししましょうか?」と訊くバーテンダーに言う。
「君のGSが欲しいんだけど、大丈夫かな?」
GSというのは、常連がよく使うゴールデン・シャワーの頭文字を取って略した隠語だが、バーテンダーは君がそう訊くと、ちょっと困ったような顔をして、申し訳なさそうにこたえた。
「すみません。さっきお客様にお出ししたばかりなので、少々お時間をいただけますか?」
君は頷く。
「もちろんです。では、待っている間にウイスキーの水割りを下さい。そして良ければ、あなたはペリエを」
「わかりました。ペリエですね」
そう言うと、バーテンダーはまずウイスキーの水割りを出した後、ペリエの壜を持ってきて、それを大きなグラスになみなみと注いで、君と軽く乾杯してから、全部飲み干した。
そして、二杯続けて飲んだ後、「少々お待ちください」と微笑んで、いったん君の前から立ち去る。
君は煙草に火をつけ、水割りをちびちびと舐めながら、カウンターの中で立ち働くバーテンダーを、時々見る。
美しい女性だ。
黒いジャケットに、黒いミニスカートを穿いている。
やがて、煙草を二本吸い終えた頃、先ほどのバーテンダーが君の前に戻ってきた。
「そろそろお出しできると思いますが」
「では、下さい。お願いします」
「かしこまりました」
バーテンダーはそう言うと、グラスを持ち、おもむろにスカートをまくって若干脚を開き気味にしたあと、手に持ったグラスを自分の股間の下に差し出した。
そして慣れた仕草でグラスの中に聖水を注いでいく。
この店のバーテンダーは、聖水抽出のために、全員、下着を着けていない。
そのため、抽出の際には、下半身が露出される。
君は、カウンター越しに覗き込むように少し腰を浮かせながら抽出の様子を見守る。
茂みの中に開いた亀裂から金色の雫が迸り出て、涼しげな音を響かせながらグラスの中に溜まっていく。
じきに、グラスが満杯になり、するとバーテンダーはいったん抽出を中断し、「一杯でよろしかったですか?」と訊ね、君が「はい」とこたえると、残りをカウンターの下に巡らされている排水のためのレーンへ放出した。
そしてすべての作業を終えると、ティッシュで股間を拭き、そのティッシュを使ってグラスの表面の水滴も除去してから、「お待たせいたしました」と君の前のコースターの上に、聖水のグラスを置いた。
そのグラスに注がれた聖水は泡立っていて、一見するとビールのようだが、もちろん違う。
急速生成なので色は若干薄めだが、金色に奥ゆかしさが感じられるし、芳香も独特だ。
「唾、入れますか?」
バーテンダーが訊き、君は、「お願いします」と頷く。
「かしこまりました」
バーテンダーはそうこたえると、カウンターの上のグラスに屈み込み、赤く塗られた唇を魅力的に窄めながら、三回に分けてたっぷりと唾液を聖水の表面に垂らした。
「どうぞ」
唾を出し終えたパーテンダーが手のひらでグラスを示す。
「ありがとう」
君はほんのりと温かいグラスを持ち、まず顔の前へ掲げた。
そして、グラスの縁に鼻先を近づけ、仄かに立ち昇る円やかで芳醇な香りを楽しんだ後、三センチほどを一口で飲んだ。
舌と喉でそれを十分に味わい、ゆっくりと飲み下す。
聖水の苦みに唾の甘みがアクセントとなって効いている。
「うまい。絶品です」
君はグラスを持ったまま、バーテンダーを見つめて言う。
「ありがとうございます。では、ごゆっくり」
バーテンダーはそう言うと、微笑みを浮かべ、君の前を離れた。
君は再びひとりになり、静かに聖水を味わう。
居心地の良い空間、クールなジャズ、そして美人のフレッシュな聖水。
至福の時間だ。
口コミと常連客に支えられた、秘密のバーだ。
店は、たいして広くない。
長いカウンターと数席のボックスがあるだけで、規模はそのへんのスナックと変わらない。
ただし、内装に安っぽさは微塵もない。
間接照明が微妙な陰影を落とす店内は、すべてにおいて重厚な雰囲気だ。
看板が出ていないといっても、イリーガルな店ではなく、ごく一般的なバーだ。
カウンターの後ろには世界各国の様々な種類の酒壜がずらりと並び、メニューは豊富だ。
ウイスキー、ウォッカ、ジン、ワイン、日本酒、とアルコールはたいてい揃っているし、カクテルの種類も多く、美しい女性だけで構成されたバーテンダーたちはみな美貌と技術のレベルが高い。
フードはつまみ程度だが、ここは飲み物を楽しむ場所なので、全く問題ではない。
しかし、他の巷のバーとは明らかに違う点がひとつだけ、この店にはある。
それは「裏メニュー」の存在だ。
もっとも、「裏メニュー」自体は、べつに珍しいものではない。
常連客に支えられた店なら、バーでもスナックでも小料理屋でも、食堂やレストランでも、存在する。
それでも、この店の「裏メニュー」は特別で、他の店にはまず存在しない。
その「裏メニュー」とは、「聖水」だ。
客は、女性バーテンダーの聖水をオーダーすることが可能なのだ。
「裏メニュー」なので、もちろん通常のメニューには記載されていない。
そして、バーテンダーを呼んで単に「聖水」とか「おしっこ」とか注文しても、出てこない。
この店では、「ゴールデン・シャワー」という言葉を使うと、それを飲むことができる。
飲み方は、様々だ。
オーダーすると、バーテンダーが目の前でそれを抽出してくれるが、それをどう飲むかは、客の自由だ。
もちろんストレートで生のまま飲んでもいいし、レモンスカッシュやコーラといった清涼飲料水、オレンジやパイナップル等ジュース類、あるいはジンやウイスキーや焼酎といった他のアルコールで割って飲むことも可能だ。
むろん、水割りやロックでもいいし、聖水をベースにしたカクテルもある。
具体的には、客はバーテンダーを呼んで、「ゴールデン・シャワーをストレートで」とか、「ゴールデン・シャワーとレモンスカッシュを二対一で」と注文を告げる。
また、オプションになるが、別途料金を支払えば、担当バーテンダーの唾液のトッピングも可能だ。
しかし、聖水は女性の生理現象に依存するので、注文したからといって必ずすぐに提供されるとは限らない。
そういう時、常連は、女性に自分が好きな飲み物を飲んでもらって生成を促す。
もっとも飲み物の摂取によって急速生成された聖水は、濃縮度の点で、なかには物足りなさを覚える常連も皆無ではない。
しかし劇的に飲みやすくなることは確実なので、概ね受け入れられていて、評判は決して悪くない。
どうしてもフレッシュで濃厚な聖水が味わいたいなら、開店直後に来店すればいいだけであり、実際、開店と同時に来店する常連は多い。
また、マニアックな客になると、あえて急速生成を希望し、強力な栄養ドリンクをリクエストして「滋養強壮には、栄養ドリンクで生成された美しい女性の聖水が一番だ」と言って、その十数分から数十分後に抽出される強いストレートを一息に呷る者もいる。
バーテンダーが摂取した飲み物によって微妙に変化する聖水のフレーバーの違いがわかるようになったら、「通」だ。
今夜、君は残業の後、久しぶりにそのバーのドアを潜った。
すると、平日の深夜に近い時間だったからか、店は空いていて、三人ほどの客しか入っていなかった。
静かにジャズが流れる中、君は、カウンターの隅のストゥールに浅く腰掛ける。
「いらっしゃいませ」
美しい女性バーテンダーが微笑みながら君の前に立ち、「どうぞ」と熱いおしぼりを差し出す。
君は「ありがとう」とそれを受け取ってから、「何をお出ししましょうか?」と訊くバーテンダーに言う。
「君のGSが欲しいんだけど、大丈夫かな?」
GSというのは、常連がよく使うゴールデン・シャワーの頭文字を取って略した隠語だが、バーテンダーは君がそう訊くと、ちょっと困ったような顔をして、申し訳なさそうにこたえた。
「すみません。さっきお客様にお出ししたばかりなので、少々お時間をいただけますか?」
君は頷く。
「もちろんです。では、待っている間にウイスキーの水割りを下さい。そして良ければ、あなたはペリエを」
「わかりました。ペリエですね」
そう言うと、バーテンダーはまずウイスキーの水割りを出した後、ペリエの壜を持ってきて、それを大きなグラスになみなみと注いで、君と軽く乾杯してから、全部飲み干した。
そして、二杯続けて飲んだ後、「少々お待ちください」と微笑んで、いったん君の前から立ち去る。
君は煙草に火をつけ、水割りをちびちびと舐めながら、カウンターの中で立ち働くバーテンダーを、時々見る。
美しい女性だ。
黒いジャケットに、黒いミニスカートを穿いている。
やがて、煙草を二本吸い終えた頃、先ほどのバーテンダーが君の前に戻ってきた。
「そろそろお出しできると思いますが」
「では、下さい。お願いします」
「かしこまりました」
バーテンダーはそう言うと、グラスを持ち、おもむろにスカートをまくって若干脚を開き気味にしたあと、手に持ったグラスを自分の股間の下に差し出した。
そして慣れた仕草でグラスの中に聖水を注いでいく。
この店のバーテンダーは、聖水抽出のために、全員、下着を着けていない。
そのため、抽出の際には、下半身が露出される。
君は、カウンター越しに覗き込むように少し腰を浮かせながら抽出の様子を見守る。
茂みの中に開いた亀裂から金色の雫が迸り出て、涼しげな音を響かせながらグラスの中に溜まっていく。
じきに、グラスが満杯になり、するとバーテンダーはいったん抽出を中断し、「一杯でよろしかったですか?」と訊ね、君が「はい」とこたえると、残りをカウンターの下に巡らされている排水のためのレーンへ放出した。
そしてすべての作業を終えると、ティッシュで股間を拭き、そのティッシュを使ってグラスの表面の水滴も除去してから、「お待たせいたしました」と君の前のコースターの上に、聖水のグラスを置いた。
そのグラスに注がれた聖水は泡立っていて、一見するとビールのようだが、もちろん違う。
急速生成なので色は若干薄めだが、金色に奥ゆかしさが感じられるし、芳香も独特だ。
「唾、入れますか?」
バーテンダーが訊き、君は、「お願いします」と頷く。
「かしこまりました」
バーテンダーはそうこたえると、カウンターの上のグラスに屈み込み、赤く塗られた唇を魅力的に窄めながら、三回に分けてたっぷりと唾液を聖水の表面に垂らした。
「どうぞ」
唾を出し終えたパーテンダーが手のひらでグラスを示す。
「ありがとう」
君はほんのりと温かいグラスを持ち、まず顔の前へ掲げた。
そして、グラスの縁に鼻先を近づけ、仄かに立ち昇る円やかで芳醇な香りを楽しんだ後、三センチほどを一口で飲んだ。
舌と喉でそれを十分に味わい、ゆっくりと飲み下す。
聖水の苦みに唾の甘みがアクセントとなって効いている。
「うまい。絶品です」
君はグラスを持ったまま、バーテンダーを見つめて言う。
「ありがとうございます。では、ごゆっくり」
バーテンダーはそう言うと、微笑みを浮かべ、君の前を離れた。
君は再びひとりになり、静かに聖水を味わう。
居心地の良い空間、クールなジャズ、そして美人のフレッシュな聖水。
至福の時間だ。
2007-07-09
貪欲な豚
君は醜い。
既に人間であることを放棄した君は、豚だ。
人間らしい思考も、もうほとんど残されていない。
君は複数の女性に家畜として飼われている身だし、地下の飼育室から出る事もない。
衣服なんて、ここ数年は下着すら身に着けたことがない。
そんなもの、君には必要ないのだ。
君は豚としての欲望に忠実な日々をただ生きている。
君の日常は、豚のそれとしてふさわしいものだ。
起きて、調教され、餌を与えれ、寝る。
その繰り返しだ。
時計もカレンダーも、家畜には必要ない。
君が暮らすその家には、何人もの美しい女性が出入りしている。
君の正式な飼い主は家の所有者として存在するが、専有ではない。
君は、家に出入りする全ての女性に共有されている。
そして死ぬまで生きる、それだけのことだ。
ただし、たとえ死んでも、嘆き悲しむ者はいない。
豚である君の体は、壮絶だ。
鞭や緊縛の跡は消えることがないし、焼き印も様々な箇所に刻まれ、焼きごてや煙草による火傷は全身に及んでいるし、所有者である女性たちの名前や落書きが体中に描かれている。
もちろん、それらはマジック等で書かれているのではない。
落書き類は、ナイフで刻まれたり、刺青として入れられている。
君は全身の毛を永久脱毛しているが、もちろん髪の毛ももう生えてはこないし、その頭頂部には「豚」と大きく漢字で刺青が入っている。
もっとも、君が生きたままこの家を出て行くことはありえないから、どのような体であろうと、とくに問題はない。
そもそも、君の体は、もはや人間としての通常の日常生活には対応できない。
体のあらゆる部位が玩具として改造されてしまっているのだ。
たとえば、乳首なんて恒常的に腫れ上がって巨大な吸盤のようになってしまっているし、アナルはいつでも拳が楽々と挿入できるくらい常に拡がってしまっていて、排泄すらコントロールすることが難しくなっている。
ペニスも悲惨なものだ。
尿道口に様々な器具が差し込まれ続けた結果、ぱっくりと口を開いてしまっている。
ドアが開き、美しい女性が姿を見せた。
鶯色のスーツ姿だ。
君はその女性の前へと進み出て、平伏する。
女性が君の頭をパンプスの底で踏み、感情のない平坦な声で言う。
「餌の時間よ」
「ありがとうございます」
君はきちんと床に両手を揃えて額を擦り付けたままそう言った後、後頭部から足がどけられ、君は急いで自分用のボウルを取りにいき、戻る。
そのボウルは、ステンレス製の大きなものだ。
それを床に置くと、君はいったん下がってきちんと正座し直す。
女性はまず、一本のバナナの皮を剥いてボウルの中に落とし、それをパンプスの爪先で適当にすり潰すと、その靴底を君の体に擦り付けて残骸を落とした。
そして、君に背中を向けて床のボウルを跨ぎ、スカートをたくし上げ、下着を降ろして、腰を落とす。
君は両の拳を膝の上に置いたままじっとその行為を見つめる。
女性は中腰のまま気張り、ボウルの中に排泄する。
先に聖水が迸り出て、続いて黄金が捻り出されていく。
強烈な臭気が室内に漂い、やがて排泄を終えた女性はティッシュで股間を拭うと、その紙もボウルの中に捨て、立ち上がる。
そして下着を穿き、スカートを直し、君を振り返ると、パンプスの爪先でボウルを押して君の前へ差し出す。
「食べなさい」
冷たい口調だ。
人間としての感情は微塵も含まれていない。
鋭い視線が降り注ぐ。
君は怯えきった哀れな目で女性を見上げた後、改めて額を床につけて礼を言う。
「ありがとうございます。いただきます」
君は尻を掲げるように四つん這いになり、ボウルの中に顔を入れて一気に餌を貪り食い始める。
そんな君を、女性は腕を組み、一瞬だけ、この世に存在する全ての種類の嘲りを籠めた目で見下ろした後、立ち去っていく。
既に人間であることを放棄した君は、豚だ。
人間らしい思考も、もうほとんど残されていない。
君は複数の女性に家畜として飼われている身だし、地下の飼育室から出る事もない。
衣服なんて、ここ数年は下着すら身に着けたことがない。
そんなもの、君には必要ないのだ。
君は豚としての欲望に忠実な日々をただ生きている。
君の日常は、豚のそれとしてふさわしいものだ。
起きて、調教され、餌を与えれ、寝る。
その繰り返しだ。
時計もカレンダーも、家畜には必要ない。
君が暮らすその家には、何人もの美しい女性が出入りしている。
君の正式な飼い主は家の所有者として存在するが、専有ではない。
君は、家に出入りする全ての女性に共有されている。
そして死ぬまで生きる、それだけのことだ。
ただし、たとえ死んでも、嘆き悲しむ者はいない。
豚である君の体は、壮絶だ。
鞭や緊縛の跡は消えることがないし、焼き印も様々な箇所に刻まれ、焼きごてや煙草による火傷は全身に及んでいるし、所有者である女性たちの名前や落書きが体中に描かれている。
もちろん、それらはマジック等で書かれているのではない。
落書き類は、ナイフで刻まれたり、刺青として入れられている。
君は全身の毛を永久脱毛しているが、もちろん髪の毛ももう生えてはこないし、その頭頂部には「豚」と大きく漢字で刺青が入っている。
もっとも、君が生きたままこの家を出て行くことはありえないから、どのような体であろうと、とくに問題はない。
そもそも、君の体は、もはや人間としての通常の日常生活には対応できない。
体のあらゆる部位が玩具として改造されてしまっているのだ。
たとえば、乳首なんて恒常的に腫れ上がって巨大な吸盤のようになってしまっているし、アナルはいつでも拳が楽々と挿入できるくらい常に拡がってしまっていて、排泄すらコントロールすることが難しくなっている。
ペニスも悲惨なものだ。
尿道口に様々な器具が差し込まれ続けた結果、ぱっくりと口を開いてしまっている。
ドアが開き、美しい女性が姿を見せた。
鶯色のスーツ姿だ。
君はその女性の前へと進み出て、平伏する。
女性が君の頭をパンプスの底で踏み、感情のない平坦な声で言う。
「餌の時間よ」
「ありがとうございます」
君はきちんと床に両手を揃えて額を擦り付けたままそう言った後、後頭部から足がどけられ、君は急いで自分用のボウルを取りにいき、戻る。
そのボウルは、ステンレス製の大きなものだ。
それを床に置くと、君はいったん下がってきちんと正座し直す。
女性はまず、一本のバナナの皮を剥いてボウルの中に落とし、それをパンプスの爪先で適当にすり潰すと、その靴底を君の体に擦り付けて残骸を落とした。
そして、君に背中を向けて床のボウルを跨ぎ、スカートをたくし上げ、下着を降ろして、腰を落とす。
君は両の拳を膝の上に置いたままじっとその行為を見つめる。
女性は中腰のまま気張り、ボウルの中に排泄する。
先に聖水が迸り出て、続いて黄金が捻り出されていく。
強烈な臭気が室内に漂い、やがて排泄を終えた女性はティッシュで股間を拭うと、その紙もボウルの中に捨て、立ち上がる。
そして下着を穿き、スカートを直し、君を振り返ると、パンプスの爪先でボウルを押して君の前へ差し出す。
「食べなさい」
冷たい口調だ。
人間としての感情は微塵も含まれていない。
鋭い視線が降り注ぐ。
君は怯えきった哀れな目で女性を見上げた後、改めて額を床につけて礼を言う。
「ありがとうございます。いただきます」
君は尻を掲げるように四つん這いになり、ボウルの中に顔を入れて一気に餌を貪り食い始める。
そんな君を、女性は腕を組み、一瞬だけ、この世に存在する全ての種類の嘲りを籠めた目で見下ろした後、立ち去っていく。
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