2005-03-05

Dog Life

君の日常は、半径三メートルの小さな世界でほぼ完結している。
つまりそれは、君を繋ぐ鎖の長さだ。
そしてたまには外界へ散歩に行くことができるが、しかしその際にもリードがはずされることはまずないから、やはり君の世界は半径三メートルだ。
なぜなら、そのリードの長さも、普段君が繋がれている鎖と同じ三メートルだからだ。

君は十七歳の女の子に飼われている。
高校二年生の彼女は、気まぐれに君を虐待しては、退屈を紛らわし、ストレスを発散している。
しかし、君に不満はない。
彼女はとてもキュートだし、何はともあれ君自身が生粋のマゾヒストだからだ。
君は彼女のペットとして生きていることに、とても満ち足りている。

君は普段から、気分屋の彼女による理不尽な苛めを散々受けている。
彼女はたいした理由も無く「ムカついた」といっては君を蹴り、殴り、君のアナルに様々なものをぶち込んで遊ぶ。
むろんその際、抵抗や反撃は一切認められていない。
そのため君は生傷が絶えない。
常に身体のどこかに痣や擦り傷を作っている。
二階のベランダから蹴り落とされて、足の骨を折ったこともある。
さすがにそこまでの怪我を負うと、病院へ行ってギプスを付けたり、一応の治療はしてもらえるが、虐待がなくなることはない。
ただ単に足にギプスを付けているというだけで、犬としての君の生活にたいした変化はない。

君にとってこの生活は過酷な試練の連続だが、嬉しいこともあるから抜け出せない。
君の飼い主はときどき、気が向くと、着用済みのソックスや下着を君に与える。
滅多にあることではないが、皆無ではない。
クラブなどで夜更かしし、酔っ払って帰宅したときなど、飼い主である彼女は上機嫌のままその酔いに任せて君の目の前でブーツを脱ぎ、ソックスを剥ぎ取るように脱いで君の鼻に押し付け、口に押し込み、二十四時間以上着用を続けた下着を君の頭に被せて遊ぶ。
そんなとき、君はこの生活の歓びを噛み締める。


学校から帰ってきた彼女が制服姿のまま、庭の片隅で繋がれている君の前へ来た。
君はきちんとお座りの姿勢をして彼女を迎え、地面に額を擦り付けるようにひれ伏す。
「おかえりなさいませ」
「ただいま」
今日の彼女は機嫌が良さそうだ。
「いい子にしてた?」
「はい」
君が頷きながらそうこたえると、彼女はおもむろにローファーを脱ぎ、紺色のハイソックスの足の裏を君の鼻に押し付けた。
「じゃ、ご褒美ね」
「ありがとうございます」
君は暖かい爪先から立ち昇る香気に昂りながら、その感触に半眼で陶酔する。
素晴らしい瞬間だ。
たちまち剥き出しのペニスが硬直を始める。
そんな君の反応に満足げな微笑を浮かべながら、彼女がいう。
「今日はおまえにお土産があるのよ。欲しい?」
君は足の裏に顔を押し付けたまま「はい」とこたえる。
すると彼女はいったん足を下ろし、鞄の中から紙袋を取り出した。
その紙袋の中には、小さな箱が入っていた。
さらにその箱を開けると、中身はレアチーズケーキだった。
彼女は、それを君に見せ、訊く。
「食べたい?」
「はい」
「じゃ、食べさせてあげる」
そういうと、彼女は近くにあった折りたたみ式の椅子を引き寄せて座り、君の餌のボウルの中にそのチーズケーキを投げ込んだ。
しかし、まだ食べることはできない。
君は犬なので、飼い主から「よし」という許可があるまで食べてはならないと躾けられている。
君がお座りしたまま待っていると、彼女は餌のボウルを持ち、中のチーズケーキに大量の唾を吐きかけた。
たちまちケーキに唾のコーティングが施されていく。
そして彼女はさらに、そのボウルを地面に置くと、立ち上がって、いきなりスカートをたくし上げて下着を下ろし、そのボウルを跨いでしゃがんだ。
君は、彼女の股間の茂みを凝視してしまう。
彼女のそれは、明るい日差しを浴びて艶やかに光っている。
やがて彼女は勢いよく放尿を開始した。
その金色の水流はチーズケーキを直撃し、その形状を破壊していった。

やがて水流が止まり、彼女はティッシュで無造作に股間を拭ってから下着を穿き、スカートの裾を下ろして再び椅子に座った。
ボウルの中のチーズケーキは、金色の液体に浸されて既にもう半壊している。
さらに彼女は、椅子に座ったまま片足だけ靴下を脱いだ。
そしてその生足をボウルの中に下ろし、チーズケーキを足の裏で捏ね繰り回す。
君は、半ば唖然としながら彼女の足の動きを凝視している。
彼女は足の指を動かしてチーズケーキを爪先に絡めた。
そして、その爪先をボウルから上げ、君の目の前に差し出す。
嘗てチーズケーキだった食べ物らしき物体が、彼女の足先を彩っている。
「ほら、おいしそうでしょ? お食べ」

彼女は楽しそうに笑っている。
君は「いただきます!」と叫んで、その爪先にしゃぶりつく。

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