2004-08-15

天使の囁き

しかし、昨日のオヤジは超笑えたよ。
友達のエミと街を歩いていたら、突然声を掛けてきたんだけど、それが駅の端のほうにあるあまり人気のないトイレの前でさ、そのオヤジ、いきなりウチらの前に立ち塞がったかと思うと、「靴下を売ってください」だもん。
もうさあ、エミとふたり顔を見合わせて、大笑い。
だって、超おかしいじゃん。
歳はね、たぶん四十ちょっと前くらい。
一応は背広を着てたけど、なんかあんまり金を持っている感じじゃなかった。
だいたい、そのオヤジ、超ダサいの。
ダサいっつーか、キモいっていったほうが正確かもね。
なんか脂ギッシュなコデブでさあ、もしかしたら素人童貞かもね、あれは。
いかにも風俗ばっか行ってそうな感じ。
でさ、そのオヤジが言うわけよ。
「お願いします、今、履いていらっしゃるそのルーズソックスを売ってください」って。
マジこういう感じの敬語だったよ。
笑えるでしょ?
ウチらより二十以上も年上のオッサンがさ、敬語だもん。それも妙にオドオドしながら。
あれは絶対マゾだね。
たぶん間違いない。
前にMオヤジと五万でエンコーしたことあるけど、同じ空気を漂わせてたもん。

で、私は言ったの。
「いくらで買ってくれるわけ?」って。
そうしたらオヤジ、一瞬キョトンとなってた。
たぶん、断られるか、シカトされると思ってたんじゃないかな?
普通、突然そんなこと言われたら、たいていの人は無視するだろうし。
つうか、キモいし。
だからオヤジにとって「いくらで買う?」ってウチらに訊かれることは、意外な展開だったんだと思う。

でもさ、昨日って相当暑かったじゃん?
だからウチらのルーズ、かなりキテたと思うよ。
マジ激ヤバだよー、って感じ?
でも、変態オヤジってそういうの好きじゃん?
でさ、エミが「二人分で一万なら売ってやるよ」って言ったんだけど、さすがにさあ、それは無謀だと思ったよ。
ちょっとボリすぎだって。
でも、そのオヤジ、エミがそう言ったら超目を輝かせちゃってさ、「わかりました、ありがとうございます」とか言って、ポンと一万出した。
めっちゃラッキーって、ウチら喜んじゃったよ。
だって、一万ってことは、一年近く履き続けているボロボロのルーズが五千円で売れたったことじゃんね。
踵とか爪先とかなんて、もう殆ど擦り切れそうなボロルーズだったし、これってラッキー以外の何物でもないよね。

でもさあ、一応人目ってものがあるじゃん?
いくら人気のないトイレの前でもさ、完全に無人ってわけじゃないし、そんなところでコソコソと靴下を脱ぐのもちょっとね。
実際、そうやって話してる間にもニ、三人は通ったし。
だから、ウチらふたりで、そのオヤジを無理やり女子トイレに連れ込んだの。
さすがにオヤジ、ビビってたけど、無理やり。
それで、ちょうど誰もいなかったからさ、ウチら、ちょっと考えたんだ。
どうせだったらこのオヤジをボコって、有り金全部巻き上げてやろうって。
だから、一瞬のうちに目配せして、渋るオヤジをニコニコしながらふたりで個室に押し込んでさ、ソッコーでボコボコにしてやった。
とりあえずエミがいきなりオヤジの鳩尾とチンポに蹴り入れて、蹲ったところを、私が踵落とし。
で、靴下を脱いで、わたしのをオヤジの口に押し込んで、エミのでそのオヤジの手を後ろで縛った。
オヤジ、かなり面食らってたけど、引け目があるから声は出せないじゃん?
しかし、あんな臭いルーズを口に押し込まれたら、相当キツいと思うよ。
実際モガきながら半泣きになってたし。
でもさ、天罰じゃん。
いい年こいたオヤジが女子高生の靴下を買うなんて、道徳に反することだしさ。

で、その後は、もう殆どリンチ。ハハハ。
殴る蹴るの暴行三昧って感じ。
オヤジ、最後の方は顔の形変わってたし、鼻やら口から血を流してたし、完全に泣いてた。
笑えるよね。

そうそう、もちろんボコった後で有り金全部貰ってきたよ。
でも案の定シケた奴でさ、財布の中には三万しか入ってなかった。
まあそれでも、ちゃんと全部戴いてきたけどね。

だけど、ウチらって結構きっちりしてるから、ちゃんと靴下はそのままオヤジにやってきたよ。
ただし、あの後どうなったかは知らないけどね。
縛ってボコったまま放置してきたし。
それでも今頃あのオヤジ、ウチらのルーズでシコシコしてんのかなあ?
っていうか、マゾだったらルーズだけじゃなくて、ウチらにボコられた記憶もオカズになってるよね、きっと。

えっ? その巻き上げた三万はどうしたかって?
ふたりでその夜のうちにカラオケと飲みで使っちゃったよ。

ほんと、オヤジなんて超余裕。
マジそう思ったね。

No comments: